へラルボニー、資生堂クリエイティブと共同制作し企業使命をオリジナルアートで表現 資生堂本社にて公開

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2023/02/07 10:00

 福祉実験ユニットであるヘラルボニーは、資生堂の本社 汐留オフィス(GLOBAL VISION CENTER)のオフィスアートを資生堂クリエイティブと共同制作した。社員が企業ミッションを意識できるよう、資生堂が企業使命として掲げる「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」をヘラルボニー契約作家の小林覚氏と資生堂クリエイティブ所属アーティストとのコラボレーションによるオリジナルアートで表現。オリジナルアートは資生堂本社 汐留オフィス1Fのエントランス展示として公開されている。

 ヘラルボニーは福祉実験ユニットとして、国内外の主に知的障害のある作家、福祉施設と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスをはじめ、作品をファッションやインテリアなどのプロダクトに落とし込む、アートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営や、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開している。

 同プロジェクトは、異彩作家が描くアートの美しさそのものへの共感と、障害のある作家とアートのライセンス契約を結び、作家へ持続可能な収益を提供するビジネスモデルを展開する同社に資生堂が賛同したことから開始した。

 資生堂の2023年最初のアクションとして、企業使命をアートで表現するプロジェクトが始動。アートを本社に設置することで、社員が企業使命を行動指針として意識できるよう期待している。

 オリジナルアートにはヘラルボニー契約作家の小林覚氏を起用。文字と文字をつなげてアートを描くという特性を活かし、企業使命「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」の文字をアートで表現している。また、社員に同プロジェクトをより自分ごととして捉えてもらうことを目的に、企業使命への思いを資生堂社員から募り、その言葉を同作品内に落とし込み、ひとつの作品として仕上げた。

作家との共同制作

 同プロジェクトは、単にヘラルボニーがアート作品の制作を請け負い、作家が制作するのではなく、作家と資生堂社員が共同で作り上げたプロジェクト。

 「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD(美の力でよりよい世界を)」を企業使命に掲げる資生堂は、人は本来、多様であるとの認識のもと、1人ひとりが自分らしい人生を実現できるインクルーシブな社会の実現を目指しており、知的障害のある異彩作家とともにこのプロジェクトを作りあげるヘラルボニーの姿勢に共感。

 同プロジェクトを通じて、小林覚氏の人柄を伝えたいという思いから、小林覚氏とともに資生堂の本社汐留オフィスへ赴き、制作を手がける資生堂クリエイティブ社員とともに打ち合わせに参加。さらに、制作当日は制作風景をオンラインで中継しながらアート制作をした。翌日、小林覚氏の自宅に資生堂クリエイティブ社員が訪れ、異彩作家が普段どのように家族と過ごしているのか知ってもらう機会となった。

作家・作品紹介

作品名:「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」
作品名:「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」

作家:小林 覚氏/在籍:るんびにい美術館(岩手県)

好きな音楽家はビリー・ジョエル、クイーン、井上陽水、スピッツ、THE BOOM。そして散歩が大好き。小林氏は養護学校中等部の在学中に、日記も作文もすべての文字を独特の形にアレンジして書くようになった。はじめ学校の先生も何とか直せないかと苦心したが、やがてこれを魅力的な造形表現ととらえることに切り替える。これを転機に、彼の表現は多くの人に喜びを与えるアートとして羽ばたき始めた。