Whatever、武部貴則氏と医学×クリエイティブでウェルビーイングの社会実装を目指すオープンメディカルラボ設立

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2023/02/16 15:00

 クリエイティブ・スタジオ Whatever Co. (以下 Whatever)は、横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター長 武部貴則(MD/PhD)氏とともに、医学×クリエイティブでウェルビーイングの社会実装を目指す株式会社オープンメディカルラボ(Open Medical Lab, Inc.)(以下、OML)を設立した。先端医学の研究者である武部貴則氏が代表取締役CEO、Whateverの川村真司氏が CCO(Chief Creative Officer)を務め、従来のアプローチとは異なる発想でウェルビーイング実現のための新たなソリューションを生み出していく。

会社概要

  • 会社名:株式会社オープンメディカルラボ(Open Medical Lab, Inc.)
  • 代表者:代表取締役CEO 武部貴則氏
  • 設立日:2023年1月23日
  • 所在地:〒106-0032 東京都港区六本木7丁目2番8号 WHEREVER 7F
  • 事業内容:ヒューマンウェルビーイングに関するコンサルティング事業及びデータベース、ソフトウェア事業、センサーデバイス等のハードウェア開発及び販売、社会啓蒙、啓発、PR及び前各号に付帯関連する一切の事業 

OML設立の背景

ウェルビーイングの社会実装を巡る課題

日本は超高齢社会を迎え、今までにない健康課題が次々に生まれている。また、テクノロジーの発展に伴う超情報化社会の中で、差別や孤独といった新たな問題も引き起こされている。こうした社会の変化を背景に、医療領域では患者の治療やケアだけでなく、「ウェルビーイング(=誰もが身体的・精神的・社会的に充足した状態)」を実現することが重要になってきている。また政府や一般企業においても、政策や経営の重点指標としてウェルビーイングを取り入れる動きが加速している。(参考サイト

一方で、ウェルビーイングの実現に向けて、どのようにアプローチすべきかがわからず有効な取り組みを立案・実施することが難しいとの声も多く聞かれ、従来の医療や福利厚生の枠組みを超えた新たな方法論が求められている。

OMLの成り立ち

横浜市立大学先端医科学研究センターでは、世界に先駆けてクリエイティブ手法を医学研究に役立てる「コミュニケーションデザインセンター」を設置。日々の暮らしの中でウェルビーイングを達成する新たな手法の基盤研究を進め、社会人教育や産学連携研究、国家プロジェクトなどで実績を重ねてきた。一方Whatever は、既存の枠や手法にとらわれないアイディアと実現力を武器とするクリエイティブ・スタジオとして、未踏領域の課題解決や新たな価値創造に挑戦し続けてきた。

両者は2021年、内閣府のムーンショット型研究開発事業「ミレニア・プログラム」において、誰もが自己実現可能な世界を目指す「イネーブリング・シティ」チームとして初めて協業。健康のみならず幸福をターゲットにしていくことでウェルビーイングを促す仕組みを体系化し、新たなムーンショット目標の最終候補に選ばれている。そして今回、本提言にもとづくウェルビーイングの社会実装を自ら担うべく、新会社Open Medical Labの共同設立に至った。

なお、OMLは横浜市立大学発ベンチャーとして同大学の公認を受けている。

OML概要

OMLは、ウェルビーイングを実現するための社会実験と実装を行う会社。さまざまな企業のパートナーとしてコンサルティングから企画立案・実装までを一気通貫でサポートしながら、自社ではR&Dおよび新規サービスの開発を進めていく。

社会の成熟にともない、病気を治すことを目的とした従来の医療だけではウェルビーイングの実現が困難になってきている。これから必要になるのは、医学以外の領域の知恵や技術をも取り入れ、あらゆる生活者接点を活用しながら人々の日常に介入し効果を上げるアクションです(図1)。同社はこれを Open Medical(開かれた医療)と名付け、OMLがその第一の実行者となるとともに、ケースに応じてさまざまな業種のプレーヤーに参画いただくことも想定している。

図1 Open Medical
図1 Open Medical

ハピネスドリブン・アプローチ

OMLでは、ウェルビーイング施策やプロダクトの設計においてハピネスドリブン(幸福起点)のアプローチを採用している。これは「楽しい」「うれしい」といったハピネス感情を喚起することで、健康行動に対してより効果的な動機づけを可能にするもの。OMLではポジティブ心理学で提唱されている「PERMAモデル」にもとづき、課題に応じてその他の理論モデルも組み合わせながら設計・実装していく(図2)。 

図2 OMLのフレームワーク
図2 OMLのフレームワーク

OMLが提供すること

1.新規事業・プロダクト開発支援

ウェルビーイングの社会実装を目的とするプロジェクトにおいて、クライアントと並走しながら企画・開発の支援を行う。アウトプットの形式は問わず、サービス・空間デザイン・アプリケーションなど、課題に応じて最適なソリューションを提供する。

2.ヘルス/ウェルネス領域のマーケティング・ブランディング支援

薬機法や健康増進法の専門知見に加え、ハピネスドリブン・アプローチなどの独自知見も活用し、ヘルス/ウェルネス領域のマーケティングコミュニケーションやブランディングの支援を行う。

3.ハピネスドリブン・アプローチのR&D

クライアントや横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センターと共同で、ハピネスドリブン・アプローチに基づくウェルビーイングの実装手法や評価手法などの研究開発を行う。

4.自社サービス

上記R&Dの成果として、ハピネスドリブン・アプローチにもとづく自社事業も準備中。

経営体制

武部貴則氏 代表取締役CEO / 医学博士(MD/PhD)

横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター長 / 特別教授。大阪大学 大学院医学系研究科 教授、同大・世界トップレベル研究拠点プログラム ヒューマン・メタバース疾患研究拠点副拠点長、東京医科歯科大学教授、シンシナティ小児病院オルガノイドセンター副センター長。著書に『治療では遅すぎる。ひとびとの生活をデザインする「新しい医療」の再定義』(日本経済新聞出版)がある。

川村真司氏 Chief Creative Officer

Whateverのチーフクリエイティブオフィサー。180 Amsterdam、BBH New York、Wieden & Kennedy New Yorkといった世界各国のクリエイティブエージェンシーでクリエイティブディレクターを歴任。2011年PARTYを設立し、New York及びTaipeiの代表を務めた後、2018年新たにWhateverをスタート。数々のグローバルブランドのキャンペーン企画を始め、プロダクトデザイン、テレビ番組開発、ミュージックビデオの演出など活動は多岐に渡る。カンヌ広告祭をはじめとした世界で100以上の賞を受賞し、アメリカの雑誌Creativityの「世界のクリエイター50人」、Fast Company「ビジネス界で最もクリエイティブな100人」、AERA「日本を突破する100人」に選出されている。

上條圭太郎氏 取締役COO

博報堂、Preferred Networksを経て、2022年よりWhateverに参加。「より良い社会」と「企業の事業成長」が重なるところをゴールに定め「生活者の心が動く」仕事を多く手掛ける。主な仕事に「UNIQLO / MY FIRST OUTFIT」「Panasonic / 聞き間違えない国語辞典」「Eye Play the Piano」など。Cannes Lions、エフィー賞、ADFEST、ACCなど国内外での受賞歴多数。2022年より東京学芸大学教育インキュベーションセンター共同研究員。