LINEヤフーは、全従業員を対象に、業務における「生成AI活用の義務化」を前提とした新しい働き方を開始した。共通領域である「調査・検索」「資料作成」「会議」から着手し、具体的な社内活用ルールを策定。今後3年間で業務生産性の2倍向上を目指す。
生成AI社内活用ルール(一部)
AI活用は手段ではなく前提と位置づけ、働き方そのものの変革を図る。
調査・検索:「まずはAIに聞く」文化へ
- 経費精算などの社内規則の検索は独自業務効率化ツール「SeekAI」を利用
- 競合調査やトレンド分析などの社外検索は「プロンプト例」を活用したAIでの検索を実施
資料作成:「作る」から「考える・伝える」へ
- ゼロベースの資料作成はおこなわず、作成前にAIを活用したアウトラインを作成
- 資料作成後はAIを活用して文章校正を実施
会議:出席は「本当に必要な人」だけへ
- 会議の前にAIを活用して議題の整理を実施
- 出席者は議論に集中するために、社内会議の議事録作成はすべてAIにて実施
- 任意参加の会議は原則出席せず、議事録で把握
同社は全部署に生成AI活用推進者を配置しており、今後は社内表彰や社員アンバサダー制度などを通じた活用推進も実施予定だ。また、2025年6月からは全社員に「ChatGPT Enterprise」のアカウントを付与し、活用環境を整備。eラーニングを通じたプロンプト設計やリスク管理の教育も義務化している。
すでに2025年7月14日時点で個人向けサービスを中心に、51件の生成AI機能を導入済み。社内では35件以上の業務効率化プロジェクトが進行中となっている。