TikTok for Businessでは、2022年6月1日〜11月30日の日本でのTikTokにおけるマンガアプリのパフォーマンス広告を分析。この結果をもとに動画広告の活用において、より効果を高めるクリエイティブのポイントをまとめた「TikTokパフォーマンス広告クリエイティブTips 〜マンガアプリ編〜」を初公開した。同調査では、広告遷移先のマンガをクリエイティブに活用している「アセット活用動画」とTikTokクリエイターが登場する「クリエイター動画」の2パターンで分析している。
パフォーマンスの良い「アセット活用動画」の特徴
マンガアプリの広告の場合、動画のサイズや秒数よりも、内容の差がパフォーマンスに大きく影響している。パフォーマンスの良い広告の特徴を掴むため、動画の内容を次の3要素に分類して分析した。
- 演出
- 構成
- 作品内容
1.効果的な動画の演出
動画の演出には、大きく分けて3種類あり、それぞれに補足テキストの有無という要素が加わる。
- リッチ:コマの切り取り・カットイン・SEなどを加え、演出に強弱のある動画
- スワイプ:演出がスワイプだけの動画
- スクロール:演出がスクロールだけの動画
マンガアプリの広告の場合、「スワイプ」の平均CTRが129%ともっとも高く、平均CPIも62%に留まっていることから、より効果が高い演出であるといえる。「スワイプ」は、一定の速度で画面が切り替わるため、ストレスなくマンガを読み進めることができ、もっとも没入感が高まりやすい演出であると推測される。
2.効果的な動画の構成
動画の構成を、大きく4つの段階にわけて分析したところ、段階ごとに異なる役割と最適なカット数があることが判明した。
- 冒頭キャッチ
- 中盤
- ラストフック
- 行動喚起
とくに「2.中盤」は、マンガを読む体験を通じて、マンガへの興味関心を高める重要な要素を担っている。
そして、「2.中盤」まで視聴させるためには、「1.冒頭キャッチ」で目を引き、継続視聴を促進することが重要となる。また、動画広告では6秒視聴率が高いほどCTRも高くなる傾向があるため、冒頭のキャッチを強めることで広告効果の向上が期待できる。
分析の結果、マンガアプリの広告では、ビジュアルやコピーに強烈なインパクトがあるとより効果が高まる傾向がみられた。6秒視聴率で見ると、キャッチが「ビジュアル」の場合は303%、「コピー」の場合は249%に達している。
3.効果的な動画の作品内容
動画で取り扱うマンガジャンル・作品内容では、動画の最後に謎を残しやすいサスペンス/推理系、クスッと笑える明るいラブコメディ系、人間ドラマのCTRが高く、効果的であることがわかった。
パフォーマンスの良い「クリエイター動画」の特徴
クリエイターを活用した動画は、活用しない動画よりもCVRが高い傾向にあり、平均CVRが43%高くなっている。
ただし、クリエイター動画でも、「動画で何を重視しているか」によって効果に差があることが明らかになっている。クリエイターの個性を活かした「ユーモア重視」の動画よりも、具体的な見どころ紹介や感想など、マンガ作品の魅力を自らの言葉で伝えている「リアルな感想重視」のほうがより効果が高い傾向にある。
さらに、クリエイターのなかでも「コンテンツ紹介系クリエイター」は、そのほかのクリエイターよりも効果が高く、平均CVRが549%となっている。オススメの映画、マンガ、小説などをオーガニックで投稿している「コンテンツ紹介系クリエイター」が高CVR傾向にあるのは、コンテンツの魅力をユーザーに伝えることに慣れているためと推測される。