アドビ、ビデオコラボレーションプラットフォーム「Frame.io」を写真画像やPDFドキュメントにも拡大

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2023/04/14 10:00

 アドビは、NAB Showにおいて、ビデオコラボレーションプラットフォームであるFrame.ioを写真画像やPDFドキュメントにも拡大することを発表。このクラウドベースソリューションを、これまで以上に幅広いクリエイターや企業ユーザーを含む新たな市場へと拡大した。

 Frame.ioは、富士フイルムX-H2SおよびX-H2カメラとの新しいCamera to Cloudネイティブ対応を活用し、コンテンツの撮影から編集、レビュー、承認までの一元化したエンドツーエンドワークフローをユーザーに提供。また、Frame.ioを世界で安全なクリエイティブコラボレーションプラットフォームとして使ってもらえるよう、「フォレンジック ウォーターマーク(電子透かしID)」をはじめとするセキュリティ機能の強化も発表した。

 アドビのクリエイティブ製品部門およびデジタルメディア推進担当シニア バイス プレジデント アシュリー スティル(Ashley Still)氏は、次のように述べている。

「Frame.ioが新たに画像やPDFにもサポートを拡大することで、業界は大きく変わるでしょう。今回のイノベーションによって、クリエイティブに関わるあらゆるプロフェッショナルクリエイターが、機敏性と迅速性を保ちながら共同作業とコンテンツ制作を合理的に進めることが可能となります」

 コンテンツに対する需要がチャネルやサーフェスを超えて加速し続ける中、クリエイティブチームは複数の場所や部署にまたがる関係者と連携するためにコラボレーションレビューツールを利用している。Frame.ioは、フォトグラファーやビデオグラファーをはじめ、映像エディターやマーケティング担当者に、制作中の作品を共有する際に、リアルタイムでのレビューと承認フローを加速させ、アセットをシームレスかつセキュアなクラウド上のひとつの場所に保存し、簡単に管理できるようにする。ビデオコラボレーションのプラットフォームとして誕生したFrame.ioは、すでに約300万人のクリエイターに利用されている。

 また、今回の新機能により、クリエイターやブランド、代理店、スタジオは、写真画像やPDFアセットにおいてもクリエイティブワークを簡素化、一元化、作業スピードの加速化を実現。

写真画像とPDFのクラウドコラボレーション

 Frame.ioは、従来の現場でのテザー撮影プロセスをリモートワークフローへと発展させ、フォトグラファーとエディターが同じ現場にいなくてもコラボレーションを可能にする、より高い柔軟性を実現した。Camera to Cloud機能が新たに写真画像に対応したことにより、フォトグラファーはメモリカードやハードディスクを経由せずに、写真をカメラから直接Frame.ioのクラウドプラットフォームに転送できるため、ステークホルダーとのアセットの即時共有が可能になる。また、富士フイルムX-H2およびX-H2Sカメラとの新しいCamera to Cloudへのネイティブ対応により、撮影現場からRAW写真の即時共有ができるようになった。

 Frame.ioは、PDFドキュメントを完全にサポートすることで、チームで使う資料やプロジェクト関連の資料のレビューを支援。この新たな機能強化により、ユーザーはiPhoneやiPadでPDFファイルをネイティブに開いてマークアップできるようになり、動画と同様にPDFや写真の注釈もデバイスやウェブ上で確認することが可能になった。

セキュリティ機能

 アドビはまた、電子透かしソリューションである「フォレンジック ウォーターマーク(電子透かしID)」を発表し、メディアやエンターテインメントスタジオ、グローバルブランド、大手代理店に、機密性の高い公開前のコンテンツを扱うための安全なコラボレーションプラットフォームを提供する。フォレンジック ウォーターマークは、クリエイターにとっては使いやすく、その反対に、情報漏洩をする側にとっては回避しにくい設計になっている。この新しいセキュリティサービスは、画面録画、ファイルコピー、外部録画に耐えうるピクセルレベルの詳細な情報を使用して、30秒という短いビデオアセットにも画面上では見えない透かしを埋め込むことができる。

 この目視不可能なフォレンジック ウォーターマークにより、ユーザーは簡単に漏洩を監査、調査することができ、アセットIDコード、プロジェクト、チーム、アカウント、ユーザーの位置情報、および再生日時を数時間以内に明らかにすることができる。

 この革新的な機能であるフォレンジック ウォーターマークは、映画業界団体モーション ピクチャー アソシエーション(MPA)のコンテンツ保護ネットワーク「Trusted Partner Network(TPN)」による「TPN+」プラットフォームの初期メンバーとして、Frame.ioの最新のセキュリティ認証にもとづいており、最高レベルの機密度をもつコンテンツに対し、現時点で可能な限り高いレベルでのセキュリティを保証する。

価格と提供時期

 アドビのFrame.ioの最新リリースは、4月15日から19日までラスベガスで開催される2023 NAB Showの#N2438ブースで展示される。富士フイルムのCamera to Cloudネイティブ対応は、本発表よりX-H2およびX-H2Sカメラで利用可能となる。