ロフトワーク、“かもしれない未来”の物語をマンガで描く「SF漫画プロトタイピング」サービス開始

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2023/04/21 13:00

 ロフトワークは、誰もが漫画を制作できるプラットフォーム「コミカロイド」を開発・提供するComicaroidと共同で、未来の社会のイメージを描き、ビジネスの新たなアイディアを導く「SF漫画プロトタイピング」のサービスを開始した。

 SFプロトタイピングとは、SFの発想・世界観・ストーリーテリングを活用することで、アイデアを飛躍させ、革新的なビジョンを導き、今後あり得るかもしれない未来の姿を構想・試作することができる手法。Intel社による新規技術・製品開発の発想法として、2013年に紹介されて以来、日本でも新しい事業や製品のイノベーション創出の手法として注目されている。

 ロフトワークでは、2020年よりこの手法を使って未来の社会や生活を描き、目指す将来像から逆算し、10年後、5年後、1年後に何をするかを考えるプロジェクトを、大手企業やスタートアップと行ってきた。その実践と知見を生かし、SFプロトタイピングの可能性をより広げる試みとして、漫画というより視覚的な物語に優れた「SF漫画プロトタイピング」のサービスを開始した。

 「SF漫画プロトタイピング」サービスの特徴は、次のとおり。

視覚的な物語の力で、共感や議論をより生み出しやすく

 一般的なSFプロトタイピングでは、テキストベースの小説という形のアウトプットを制作するのに対し、「SF漫画プロトタイピング」では漫画を制作。アイデアやコンセプトがビジュアル化されるため、よりわかりやすく、共感を得やすくなる。また、漫画の特徴である、細やかな表情や、コマ割り表現などが可能になることで、世界観や物語をテキストベースよりもより容易に伝え、議論を起こしやすくなる。

プロダクト起点で、“ありうる未来”を提案

 「SF漫画プロトタイピング」では、プロダクトドリブンのアプローチを採用し、プロダクトを想像の起点にし、プロダクトが利用される世界観やシチュエーション、プロダクト周辺で起こり得るストーリーを描き出す。プロダクトを起点に、社会・生活・倫理に与える影響と、変容した世界を考えることで、人々の価値観の変化や問題提起をうながす。

二次創作の仕組みから、ファンが新たに物語を生み出してくれる可能性も

 今回共同でサービスを提供する漫画制作プラットフォーム「コミカロイド」は、絵心いらずで誰もが漫画をつくれるサービスとして注目されている。アップロードした素材はすべて漫画調の画風に変換することができ、企業・団体のプロダクト(製品/技術・素材/建造物/空間)を容易に漫画素材にできる。また「コミカロイド」にアップロードすることで、ほかの人が自分の漫画で利用する素材としてインポートすることができるようになるため、ファンが素材を起用して新しい物語を創り出すことも可能。