マーケティングテクノロジーの力で地域活性化を推進するSO Technologiesは、インターネット広告を広告代理店に委託している広告主を対象に、「インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査」を実施した。業務における広告主の生成AI利用頻度、委託先の広告代理店が生成AIを活用することに対する考えと所属企業の対応方針に関する結果などを発表した。
おもな調査結果
インターネット広告に携わる広告主の生成AI利用率は89.1%。広告代理店の生成AI活用にも76.2%が肯定的
広告主である回答者に対し、業務におけるChatGPTなどの生成AIの利用頻度を聞いたところ、「週1~2回程度」が40.4%、「ほぼ毎日」が27.2%、「月に1~2度」が21.5%となり、89.1%が生成AIを利用していると回答した。(n=438、単一回答)
具体的な業務内容ではアイデア出しやブレストが70.0%、文章作成が54.4%、情報収集が52.3%、議事録作成が50.5%の順に多くなっている。(n=390、複数回答)
また、「現在は利用していない」「利用したことはない」と回答した人に理由を聞いたところ、「使いこなせる自信がないから」「使い方がわからないから」がそれぞれ35.4%、「プライバシーやセキュリティに不安があるから」が22.9%と続いた。(n=48、複数回答)
委託先の広告代理店が生成AIを活用することをどう思うかについて、回答者自身の考えにもっとも近いものを聞いたところ、「活用してもよいが、一定のルールやガイドラインが必要」が最多で47.0%、次いで「積極的に活用してもよい」が29.2%となり、76.2%が肯定的な意見となった。
一方、「活用しないでほしいが、ルールやガイドラインがあればやむを得ない」が13.9%であり、肯定的・否定的のいずれにしてもルールやガイドラインを必要と考える広告主が過半数の60.9%となる。また、「明確に禁止すべき」と考える広告主は4.8%となった。(n=438、単一回答)
広告主企業の対応方針は「申告が必要」「一定のルールに則り利用を許可」が53.6%、「許可をとる必要はない」が28.8%。肯定的な意見が大多数に
回答者の所属する会社にて、業務の委託先企業が生成AIを活用する場合の対応方針について聞いたところ、「ルールやガイドラインはないが、利用には申告が必要」が最多で30.8%、次いで「許可を取る必要はなく、自由に利用してよい」が28.8%、「一定のルールやガイドラインに則った上で利用を許可している」が22.8%と続いた。また、「利用は許可していない」は6.6%であった。(n=438、単一回答)
広告代理店が生成AIを利用してよい・利用して問題ないとする業務領域は「リサーチ」が最多。予算関連・議事録・メール文面作成などで否定的な意見が2割に
広告代理店の各業務領域に対する生成AI活用への考えを聞いたところ、「積極的に利用してもよい」「利用して問題ない」を合わせた肯定的な回答がもっとも多かった業務は「広告配信する商品・サービスのリサーチ」で66.9%、次いで「競合・市場リサーチ」の54.5%となった。また、すべての業務領域で「利用して問題ない」あるいは「どちらでもよい」の回答が多数派となっており、業務内容によって利用に反対する広告主は少ないと考えられる。
一方、「控えてほしい」「絶対に利用しないでほしい」を合わせた否定的な回答の上位としては、「予算調整のアドバイス」が21.9%、「議事録作成」21.4%、「メール、チャット文面の作成」21.0%が挙がっている。(n=438)
調査概要
- 調査期間:2023年5月22日~23日
- 調査対象:自社商品・サービスのインターネット広告を広告代理店に委託している企業の経営者・事業およびマーケティング責任者、現場の担当者
- 有効回答数:438人
- 調査方法:ジャストシステム「ファストアスク」によるインターネットアンケート
- 調査主体:SO Technologies