大日本印刷、竣工前の建築物をメタバースで構築して企業と生活者のコミュニケーションを活性化

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2023/06/21 20:00

 大日本印刷(以下、DNP)は、現実(リアル)の施設などの建築と並行して、建築用のデータを基に高精細なバーチャル空間「メタバース」を構築し、両空間の連動による企業と生活者のコミュニケーションなどを支援するサービスを開始した。新設する施設などを活用した各種展示会・株主総会・就職説明会・社内向けイベントなどを、リアルとバーチャルの両面でサポートする。

 同社は2021年から、リアルとバーチャルの空間を連動して、新しい生活者の体験と経済圏を創出する「XRコミュニケーション事業」を展開している。また、安全・安心に楽しめるバーチャル空間を構築するXRロケーションシステム「PARALLEL SITE(パラレルサイト)」を提供しており、今回その機能を拡充し、メタバースの企画から構築・運用までトータルに支援する。同サービスによって、完成前のリアル施設の一足早いバーチャルでの公開と体験、完成後の施設を遠方の顧客や社内外の関係者によるバーチャルの利用など、社員のエンゲージメント向上や顧客とのコミュニケーションの活性化につなげる考え。

 同サービスの特徴は、次のとおり。

さまざまな建築データにもとづくメタバースの構築が、最短2ヵ月から可能に

DNPは、建築関連の3次元データに加え、各室の名称・面積、材料・部材の仕様などの属性情報をあわせ持つBuilding Information Modeling(BIM)データやCADデータ、3次元座標値・色情報で構成される「点群データ」など、さまざまな建築・設計データを基に、最短2ヵ月からメタバースを構築することが可能。

最大1,000名まで参加できる大型イベントなどでも活用可能

最大1,000名までメタバースに同時に参加可能。就職説明会のほか、国内外の社員が一堂に会する大型イベントなどに利用できる。また、参加者同士が会話できる音声チャットや画面共有の機能、イベントに合わせたクイズパネルなどの機能も提供。今後、DNPが開発中の、生活者個人を特定するアイデンティティ情報とアバター情報の管理・認証を可能にする「PARALLELME」と本サービスを連動させて、利用者の個別認証も可能にしていく予定だという。

メタバースで得られた各種データを分析して、リアル空間と連動した施策に活用

同サービスでは、メタバース参加者の属性や利用回数、コンテンツ視聴回数などを把握・分析できる。メタバース上で関心が高かったコンテンツや体験企画などを参考にして、リアルの施設を活用した企画の設計やマーケティング、各種イベントとの連動が可能となる。