オーディオストリーミングサービス Spotifyは、世界におけるZ世代のカルチャーやトレンドを調査した年次報告書「Culture Next」の2023年版を発表した。
SpotifyのZ世代ユーザーは、2023年上半期に音楽を5,600億曲以上、ポッドキャストを30億エピソード以上（前年比+76％増）聴いており、Spotify上でももっとも急速に増加・成長しているユーザー属性となっている。
同報告書では、高いエンゲージメントを特徴とするZ世代ユーザーのデータをもとに、リスナー、クリエイター、ブランドがSpotify上でどのようにつながり、カルチャーを形成しているのかを探求。また、次に来ると予想されるトレンドについても分析し、広告主であるブランドが、Z世代と有効に関与するための具体的なポイントや戦略を紹介している。
ハイライト
カルチャーに対するZ世代の見解
Z世代の81％が、多くの人が同時に消費する単一定義のモノカルチャーは、現代には存在しないと回答。62％が、あらゆるトピックにおいて「専門家」からよりも、一般の人の生きた経験から学ぶことに興味があることがわかった。日本のZ世代の49％が「トレンドの拡散により、カルチャーはかつてなく急速に進化している」と考えている。
Z世代の85％が「現在のカルチャーのスピードは、創造性の成長を加速させる要因となっている」としている。42％が、カルチャーの影響力は将来、世界の超大国よりも新興マーケットによって形作られると予想している。
Z世代のSpotify利用状況
Z世代は、AIを活用したDJ機能を使って、音楽やおすすめのコンテンツを世界中で15億分以上再生。2023年上半期、日本ではZ世代がBlendプレイリストの合計シェア数の65％を占め、この機能を使って友達との絆を深めている。2023年の上半期に、Z世代のSpotifyでのポッドキャストの再生数は3,800万回を超え、日本では前年に比べて109％増加した。
音楽に関する傾向
日本のZ世代の30％が2021年と比べて、音楽がほかのカルチャーを知るきっかけになっていると感じている。日本のZ世代の71％が自分とは異なるカルチャーや経験を学ぶ手段として音楽やポッドキャストを活用したことがあると回答。Z世代の52％が母国語以外の音楽を好むと回答しており、2021年の同回答（45％）に比べ、増加がみられた。
Z世代のリスナーとクリエイターによって、ローカルな音楽ジャンルが、世界に広まっている。南アフリカ、ハウテン地方のハウスミュージックのサブジャンル「アマピアノ」は前年に比べて聴取が73％増加。金管楽器とパーカッションを特徴とする、メキシコのある地域特有の音楽「バンダ」は前年に比べて聴取が48％増加した。
ポッドキャストに関する傾向
日本のZ世代の61％がポッドキャストを聴くことで、あらゆるトピックについて深く掘り下げ、テーマの中核に迫ることができると回答。日本のZ世代のポッドキャストリスナーは、「音楽」（+199％）、「科学」（+127％）、「スポーツ」（+116％）、「都市伝説・ミステリー」（ +188％）カテゴリーでのポッドキャストへの聴取が前年に比べて増加した。
日本のZ世代の58％が、ポッドキャストは議論できる新しい空間を提供していると回答。「教養・学習」カテゴリーでは、Z世代による再生が79％増加した。また、「宗教＆スピリチュアル」（+182％）、「健康・フットネス」（+85％）、「歴史」（+35％）でも増加がみられた。
「Culture Next」ではこれらのほかにも、Z世代についての理解を深め、彼らに効果的にリーチするために参照できるインサイトやアイディアを紹介している。
