東大松尾研発AIスタートアップのEQUESは、セガとの共同プロジェクトで、生成AI(Generative AI)を活用したボクセル(※)形式の3Dモンスター生成AIを開発した。
同AIは、近年急速に発達している生成技術を取り入れ、ユーザが簡単なキーワード入力を行うだけで、ボクセル形式のモンスターを生成。この成果は今後、UGC(User Generated Contents)への応用が期待されている。なお、学習に使用されたデータは、学校法人滋慶学園COMとの産学連携プロジェクトの一環として学生たちが制作したもの。
同プロジェクトの成果は、滋慶学園COMが2023年11月10日(金)〜11(土)に開催する「JIKEI COM Game&e-Sports SHOW 若きクリエイター展」にて、セガのブースでデモ展示される。
株式会社セガ ビジネス開発本部 市場開発部 浅井氏 コメント
「ゲームやメタバースではUGCの重要性が増しており、作成する敷居は下がりつつありますがまだまだ一般ユーザには敷居が高いのが現状です。
最近では生成AIの技術の進歩が著しく、その技術を使ってUGCの作成を簡易化できないかといった検証を行い、ゲームへの活用可能性を探るのが今回の目的です。
EQUES様は研究者でもあり様々なアプローチを提案していただけるのでとても挑戦的な取り組みを行うことができました。
今後も協力関係を継続し、日本から世界に新しい感動体験を創造していければと考えております」
株式会社セガ ビジネス開発本部 プロデューサー 西山氏 コメント
「弊社の投資部門から紹介を受けて、ご縁が出来たEQUESさんとこうしたPoCを実現できたのは大変刺激的でした。
AIという新規の分野で、まさに学生発ベンチャーの若いEQUESと弊社のような老舗のエンタテインメントの会社が連携できたことは、今後にもつながると思っています。日本はAIでは若干の出遅れ感がありますが、今後もこうした取り組みなどを通して業界全体としても水準を高めていきたいと思っております」
株式会社EQUES Co-Founder/CTO 助田一晟氏 コメント
「現在、生成AIの分野は研究の進歩が驚くほど速く、生成されたものの品質の高さには日々感銘を受けます。この生成能力を利活用できれば、業務効率化や新たなクリエイティブ表現を実現できます。ゲーム製作をはじめとするクリエイティブ業界を変革する力を秘めていると考えております。
本プロジェクトでは、セガ様との密なコミュニケーションを通じて、スピード感をもって生成AIを開発することができました。ボクセル形式のデータ生成は他に例のない新しいものになり、さらに、期間中に公開されたような最新モデルを取り入れられたことで「最先端」といえる開発を実現できました。この挑戦的な試みや最先端技術の活用は、松尾研発スタートアップならではの特色ではないかと思います。
EQUESは今後もアカデミアのState-of-the-art(=最先端)をいちはやく活用し、クリエイティブ業界に貢献するAIを提供していきます」
※ボクセル:3次元オブジェクトの立体表現に用いられる非常に小さい立方体。