博報堂のプロジェクトチーム「Human X(ヒューマンクロス)」は、東京大学大学院情報理工学系研究科の鳴海拓志准教授と共同で、クロスモーダル知覚(五感の相互作用)を活用し、新商品開発や新規事業創造に必要な発想や体験のための、アイデア創出ソリューション「Humanity Thinking」の提供を開始した。
Human Xは、クロスモーダル知覚を企業のブランド体験開発に活用する実験活動「Human X Experiment(ヒューマンクロス エクスペリメント)」として、生活をより豊かにする仕組みを感性的・科学的に開発する「〇〇×五感体験デザイン」シリーズに鳴海准教授の監修のもと取り組んでいる。これまで、おいしさ×聴覚に挑戦した「ビールのおいしさを増幅させる音楽」やこの音楽を映像化し感覚間協応の特性を活用した視聴覚体験の開発などを行ってきた。
今回提供を開始する「Humanity Thinking」は、クロスモーダル知覚を活用して、新商品開発や新規事業創造において必要となる「新たな体験のアイデア」を作り出すソリューション。「感覚のゆらぎを、デザインする。」をコンセプトに、人間が本来もっている感覚・身体・感情を活用し、ひとの可能性を多角的に考えていく。
同ソリューションでは、人間の感覚特性を活用した発想ヒント集「HUMANITY TIPS」を使い、発想をサポート。たとえば「温度」という観点で温かいものをもらうとその人のことを温かい人と感じるクロスモーダルな認知特性を活用し、接客時の温度体験を発想する、というような視点で考えるヒントを与える。このような人間の普遍的な特性を活用したアイデアは、新たな発想の切り口をもたらすことが期待できる。
「HUMANITY TIPS」は、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚・認知・感情・行動の観点から50tipsの用意があり、発想しやすいかたちのカードになっており、人間の感覚を味方にした体験創出を目指す。
博報堂Human X は、活動から得られたクロスモーダルナレッジを企業が持つブランドの“らしさ”と掛け合わせ、生活者の身体性や感情に着目したブランド開発や世界観構築、新たな体験創出、研究開発、新事業開発など企業のブランド変革支援に取り組んでいく。