SHIFTは、2023年3月にソフトウェア・システム開発に携わる会社員を対象に「UX向上の取り組み状況に関する調査」を実施し、その結果を調査レポート「UX開発の実態調査2023~UXはソフトウェア開発の切り札か~」としてSHIFTサービスサイトで紹介している。今回、同調査結果に、ユーザー企業に対するアンケート(2023年10月実施)を追加した。
調査結果概要(サマリーデータ)
半数以上の企業がUXに取り組み、実に70%の企業で成果が出ている
ソフトウェア開発において53%の企業がUXに取り組む、または予定があると回答しており、取り組んでいる企業の実に70%は成果が出ていると回答している。UXの取り組みは成果に結びついていることがうかがえる結果となった。なお、10月中旬に追加調査を実施したところ、「旧来のUI開発手法の限界」や「市場成熟期を迎えた事業の戦略の一環」、「昨今のアプリケーション開発ではUXが重要」などをきっかけとしてUI/UXの重要性を認識されている声が聞かれた。
UXはB2C企業のものではなく、B2B企業や社内システムでも取り組まれている
UXは、企業が一般消費者を対象にビジネスを展開するB2C企業が取り組むイメージを多くの人にもたれている。しかし、実際は消費者向けだけではなく、法人を対象にサービスを展開するB2B企業や社内従業員が利用するシステムにおいても、UXに「取り組んでいる・予定がある」とした回答が半数以上を超える結果となった。
UXの取り組みの目的・成果は多岐にわたる
使いやすさや顧客満足度の向上はもとより、「売上の拡大」「生産性の向上」「問合せ数の削減」など、事業の成功に向けてUXがさまざまな目的で取り組まれていることがうかがえる結果となった。
おもな調査結果
ソフトウェア開発におけるUXの取り組み状況:53%が開発においてUXに取り組んでいる・予定あり
ソフトウェア開発においてUXに「取り組んでいる・予定がある」とした回答は53%と半数を超える結果に。前回調査では52%であり微増ではあるものの、毎回調査のたびに少しずつ増加が見られた。また、追加調査では、UI/UXの重要性を認識するきっかけとしては「旧来のUI開発手法の限界」「市場成熟期を迎えた事業の戦略の一環」「昨今のアプリケーション開発ではUXが重要」といった声があがった。
UXの取り組み状況:B2C・B2B・社内システムに関係なくUXに取り組んでいる
調査対象が関与している開発別(B2B、B2C、社内システム)にUXの取り込み状況を分類してみたところ、回答に大きな差はなかった。B2Cだけではなく、B2Bや社内システムにおいてもUXは不可欠であり、ユーザー視点での開発への取り組みが行われているという結果となった。
UXに取り組んでいる企業の成果:70%がUXの取り組みの成果が出ている
「UXに取り組んでいる」と回答した企業のうち、UX向上の取り組みに対して「十分に成果が出ている」「まぁ成果が出ている」とした回答は70%。前回調査より5%上昇しており、取り組んでいる企業はしっかりと成果が出ていることがうかがえる。
UXに取り組む「目的」:UXはさまざまな目的で取り組まれ、さまざまな効果を生む
「既存顧客の解約・離脱の防止」や「サービスのつかいやすさの提供」をはじめ、さまざまな目的でUXに取り組んでいる。UXの取り組みが年々増加していることに納得ができる結果だった。
調査概要
- 調査期間:2023年3月下旬 ※追加アンケート調査:2023年10月中旬
- 調査対象:ソフトウェア・システム開発に携わる会社員
- 調査人数:623名
- 調査手法:インターネット調査