オトナルと朝日新聞社では共同で、国内のポッドキャストの使用状況を把握しポッドキャストユーザーへの理解を深めることを目的に、2020年から「PODCAST REPORT IN JAPAN ポッドキャスト国内利用実態調査」をおこなっている。
今回はその第4回として、利用率、利用シーン、利用方法、ほかメディア比較などをまとめた「PODCAST REPORT IN JAPAN 第4回ポッドキャスト国内利用実態調査」を昨年12月に実施、調査内容の詳細の一部抜粋を公開した。
ポッドキャストは若年層の利用率が高い 15〜19歳では約3人に1人、20代では4人に1人
一般ユーザーを含めた10,000人を対象にした調査では、月間のアクティブユーザーに該当する、ポッドキャストを1ヵ月に1回以上使用する人の割合は15.7%だった。とくに15〜19歳の利用率は32.8%となり、この年代においては約3人に1人、また20代の利用率は25%で、4人に1人が毎月ポッドキャストを利用している。
ポッドキャストの利用率はTikTokと同等
ポッドキャストの利用率はTikTokと同等という結果に。全年代の利用率で、Netflix、雑誌、Abemaを上回っていた。また対象を15〜29歳にしぼると、ポッドキャストの利用率は27.4%(すべてのメディアで8位)となり、Amazon Prime Video、ラジオ、Facebook、新聞を上回る結果となった。
ユーザー全体のうち5割近くのユーザーが定期的に3番組以上を視聴
ユーザー全体の4割近くが、週3回以上ポッドキャストを聴いていることが判明。特に15〜19歳は48.0%とほか世代の聴取頻度を上回った。また、定期的に3番組以上聴いているユーザーは5割近くを占めており、前回調査より7ポイント増加していた。
ポッドキャストユーザーの6割弱が39歳以下 性別では男性が過半数を上回る
年代の比率では、ポッドキャストユーザー全体の38.8%は15〜29歳、56.9%は15〜39歳が占めている。15〜39歳の利用年代をほかメディアと比較すると、Instagram、ラジオと比べて若年層ユーザー率が高い結果となっている。性別では、女性よりも男性が多い結果(男性が57.3%)となった。
10代はエンタメとしてポッドキャストを愛用 20代は配信者との距離を楽しみながら聴いている
ポッドキャストの利用率が高い10代は、約3人に1人がユーザーであり、利用ユーザーの48%が週3日以上ポッドキャストを使用。エンターテイメントとして、コメディ/お笑いなどの番組を音楽アプリで楽しんでいる傾向がみられた。同じくユーザー比率の高い20代では、4人に1人がポッドキャストユーザーだった。20代のユーザーは配信者との距離の近さを楽しみながら番組を聴いており、またテレビやSNSの情報よりもポッドキャスト配信者への共感・信頼性が高いという特徴がうかがえる。
ポッドキャストを聴く方法はSpotifyが1位、Amazon Musicが2位に
ポッドキャストを聴く方法(聴く際に使うプラットフォーム)は、Spotifyが35.2%ともっとも高く、続いてAmazon Music(19.8%)、Webサイト(15.6%)、Apple Podcast(15.2%)、YouTube Music(9.3%)、ラジオクラウド(9.3%)となった。またプラットフォームごとの年代傾向として、SpotifyとYouTube Musicは比較的若年層が多く、Amazon Music、Webサイト、Apple Podcastは比較的年配層に利用されていることがわかる。
ユーザーの87.1%が“ながら時間”にポッドキャストを視聴
ポッドキャストを聴くシチュエーションでは、「車の運転中」(23.8%)、「公共交通機関」(23.5%)、「家事中」(23.4%)、「歩いている時」(23.3%)、「趣味の作業中」(22.2%)がほぼ同スコアで上位に並んだ。ユーザーの87.1%が“ながら時間”に何かをしながらポッドキャストを聴いていることから、さまざまな“ながら時間”にポッドキャストを聴くことが浸透していることがわかった。
「ほかの作業をしながら耳だけを傾けて利用できる」などのユーザーの声も
「ポッドキャストを聴いてよかったこと」についての自由回答では、「好きな時に、聞きたい事が聞ける」「ほかの作業をしながら耳だけを傾けて利用できる」など、音声ならではの「ながら聴き」の機能性を評価する声が多くあった。また「英語のリスニングができるようになった」「語学力向上に役立った」など、ポッドキャストを学習コンテンツとして利用しているという回答もみられた。
ポッドキャストのヘビーユーザー(5番組以上聴くユーザー)は、音声広告を聴いて感じるポジティブな回答が、一般ユーザーに比べて全項目で高い結果に
ポッドキャストを定期的に5番組以上聴いているヘビーユーザーは、ポッドキャストユーザー全体に比べて、音声広告を聴いて感じることについても全回答項目に高いスコアとなっており、特に「商品やサービスの記憶」、「検索意向」、「好感度向上」、「商品の購入意向/利用意向」の4点において、10ポイント以上高い結果となった。またヘビーユーザーは、ポッドキャスト番組に対して積極的な行動を行う意向が強いことが明らかとなった。
ポッドキャストは企業の決裁権者(経営者、役員、管理職)比率がほかメディアよりも高く、学生にも馴染みのあるメディア
ポッドキャストユーザーの職業に関するほか6つのメディアとの比較調査では、企業の決裁権者(経営者、役員、管理職)の比率が13.1%と、もっとも高い結果に。また、学生の比率も、全メディアのなかでTikTokに次ぐ16.1%と高い傾向がみられ、若年層にも馴染みのあるメディアであることがうかがえる。
調査概要
- 実施時期:2023年12月8日(金)~12月9日(土)
- 調査地域:全国
- 調査対象:15~69歳の男女、全体調査10,000人、ポッドキャストを月1回以上聴く人への調査800人(人口構成比に準じてウェイトバック集計を実施)
- 調査方法:インターネット調査