Pinterest、広告/パフォーマンス/ブランドセーフティーをサポートする新たなAIツールを導入

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2024/06/18 11:00

 Pinterestはカンヌライオンズに先立ち、AIを活用したクリエイティブ制作、キャンペーンのパフォーマンス向上、ブランドセーフティーの測定など、広告主に役立つAIソリューションの詳細を新たに発表した。

Pinterest アドラボの紹介

 一部のブランドに提供されている「Pinterest アドラボ」は、広告素材や広告の新ツールの試用版をテストできる新しいイノベーションプログラム。これらには、生成 AI 機能を活用し、パーソナライズされた情報を元にコラージュするインタラクティブなショッピングツールが含まれている。Pinterestは、 ブランドによる積極的なテスト運用を促し、広告主からのフィードバックを反映した新ツールを迅速に提供することを目標として掲げている。現段階では、次の機能テストを行っている。

パーソナライズされた背景を生成 

Pinterestは、パーソナライズされた背景の生成機能をテストしている。この機能には、Pinterestのビジュアル検索とテイストグラフが持つ力をフルに発揮させるPinterestの生成AI基盤モデルが活用されており、プロダクトピンのクオリティとユーザーのエンゲージメントを向上させることを目標に、 ユーザーのテイストを反映したシグナルを利用し、「ジャパンディ」「オーガニックモダン」「ミニマリズム」など、ユーザーの好みに合わせた背景を作成する。椅子を例に挙げると、白い背景に置かれた椅子の代わりに、ユーザーが好むインテリアスタイルを背景にして同じ椅子を置いた画像を表示できるようになる。

広告主向けのコラージュ作成

コラージュは、Pinterestでキュレーション、アイデアやインスピレーションのシェア、ショッピングをするための新たなツール。ユーザーは、ほぼすべてのビジュアル素材を切り抜いて組み合わせ、コラージュを作成できる。プロモーションを通して、コラージュをよりユーザーの目に留まりやすく、購入体験に繋がりやすい魅力的なコンテンツにするため、ブランドとともにコラージュ機能のテストを実施している。テストに参加しているブランドは、コラージュに商品をタグ付けし、ユーザーにブランドの商品詳細を見てもらえるように、ショーケースアドまたはコレクションアドとして活用できる。

現在、小売や美容などの業種の一部のブランドと提携して、フィードバックを集めている。提携ブランドは、Nike、Wayfair、John Lewis、Bumble & Bumbleなど。今後数ヵ月で、より多くの広告主が利用できるよう、徐々に展開を広げていく予定。

家具と家庭用品を扱うWayfairは、Pinterest トレンドをヒントにしたインテリアと家具のコラージュを作成し、ショーケースアドとしてアド運用した。このフォーマットは、小売業種のベンチマークと比較して、クリック単価(CPC)効率は 28%、エンゲージメントは 5.4 倍向上をもたらす成果を出した。

Wayfairでクリエイティブ&コンテンツ担当グローバルヘッドを務めるSandro Corsaro氏のコメント

「Wayfairは常に、革新的な広告フォーマットを積極的に試しています。単独の広告でユーザーをひらめきから行動へと導くことが出来るコラージュには、他の広告とは違う勝機があると感じました。コラージュはビジュアルで顧客を惹きつけるだけでなく、ターゲット層の顧客に対して効果を発揮しました」

Pinterest Performance+でキャンペーンの成果を向上

 Pinterestは、広告主の目標達成を促すキャンペーン設計を簡単にし、パフォーマンスを最大限に発揮できるようサポートするため、新しい自動化ツールとAIツールに投資を行っている。Pinterest Performance+(現在、非公開ベータ版)は、同社の最新AIツールと自動化ツールを組み合わせ、パフォーマンスの向上を図るとともに、マーケターがすばやく簡単にキャンペーンを作成できるようにするソリューション。

 アルファ版の初期テストの結果によれば、ほとんどの広告主にて、コンバージョンキャンペーン広告とカタログ販売キャンペーン広告において獲得単価(CPA)の10%超の改善、また比較検討キャンペーン広告における CPCの10%超の改善が見られた。加えて、Performance+の一連のツールによりキャンペーンの作成にかかる時間は50%減少し、時間効率アップが大幅に改善した結果が見られている。

ブランドセーフティーの取り組みを拡充 

 Pinterestは、プラットフォーム上でよりポジティブなオンライン体験を提供することに注力している。ブランドの安全性を保ち、独自のポリシーを組み込むだけでなく、業界をリードする団体との協力により、同社プラットフォームがブランドにとって安全であることを検証する取り組みも行っている。

 Integral Ad Science(IAS)と提携し、「Total Media Quality for Pinterest」の一環として、広告が利用可能なすべてのマーケットでGlobal Alliance for Responsible Media(GARM)のフレームワークに準拠したブランドの安全性測定を提供している。IASのAIを駆使したマルチメディアテクノロジーは、機械学習を用いて画像、音声、テキストを1フレームごとに分析し、大量のピンを正確に区別する。ベータ版テストの広告キャンペーン結果によると、Pinterest上で測定された広告インプレッションの 99% がブランドの安全基準を満たしているという結果が出た。

 今後、DoubleVerify(DV)との提携も開始し、世界中の広告主に向けてPinterestキャンペーンに関するブランドの安全性とブランド適合性測定を提供していく予定。Double Verifyのブランドの安全性と適合性測定は、ブランドイメージとブランドの価値を毀損しないよう、ブランドの広告がどのようなコンテンツの近くに配信されるのかを把握できるようにしていく。初回のテスト測定では、広告インプレッションの99%以上がブランドの安全基準を満たすと評価された。