博報堂は、生成AIを接客・対話など生活者との「コミュニケーション」のために活用し、よりよい顧客体験を実現するためのサービスプロトタイプ「バーチャル販売員」を開発した。
これまでの対話・接客AIサービスでは、顧客は汎用的かつ限られたタイプのアバターとの対話が一般的であったが、同サービスでは、博報堂の「バーチャル生活者」のノウハウを活用することで、リアル販売員の多様な人格の個性や特徴を反映した数百、数千タイプのバーチャル販売員を作成することが可能となった。これにより、顧客のニーズや顧客との相性をふまえた、最適な人格のバーチャル販売員での対話・接客を実現することができる。
またリアルの販売員をバーチャルアバター化し、オンライン上でバーチャル販売員が接客・対話をした後にリアル店舗へ誘導。オンラインでの対話履歴をリアル販売員へ連携することで、リアル販売員は顧客ニーズを理解した上で、顧客をおもてなしすることが可能になる。
博報堂は、各分野で存在感を増していく生成AIと博報堂の深い生活者理解を融合させて、DX本来の意味であるデジタル技術によって人々の“生活をより豊かにする”ことにつなげたいという思いから同サービスを開発した。
本サービスを通じて、企業は生活者に対してオンライン、オフラインのシームレスな顧客体験を提供することで、顧客接点の拡大や対話頻度の向上など、ブランドへのロイヤリティを高めることが可能となる。くわえて、顧客の声をデータとして収集することや従業員の働きかた改革への寄与も期待できる。
本サービスの開発にあたっては、博報堂のクリエイティブディレクター・クリエイティブテクノロジスト・UXデザイナー・アートディレクターなど多様な専門家が参画し、外部パートナーと協業しながら博報堂オリジナルのRAG(検索拡張生成)システムを構築。RAGシステムを搭載することで、理想的な対話シナリオや回答を導き出し、より精度の高い会話につなげる。
今後も博報堂は、生活者の声を聴き、DXの本来の目的である「生活をより豊かにする」取り組みを推進していく。
アバター・UIイメージ
同じサービスでは、グローバル展開を意識した博報堂オリジナルのアバターデザインを採用しており、個性的で多様なアバターを再現することができる(ブランドの世界観やニーズに合わせて、アバターデザインをカスタマイズすることも可能)。さらに、アバターの個性を引き出し、アバターとの対話が楽しくなるようなUI/UXデザインにも注力した。基本機能としては、テキストメッセージでのコミュニケーションに対応しており、応用機能として、音声でのコミュニケーションにも対応可能。
ユースケース
同サービスでは、販売員に限らず、フロントデスクやコールセンター、カウンセリング、コーチング、マネジメントなど、多様なユースケースを想定しており、自動車、保険、化粧品、採用・人材開発、ECなどの分野での活用を見据えている。
- カーディーラーの販売員
- 保険の販売員
- 住宅メーカーの販売員
- 家電量販店の販売員
- 化粧品の美容部員
- キャリアカウンセラー
- 通信キャリアのコールセンター
- MRを支援するマネージャー