3Dアルゴリズムベンチャー「Sapeet」、三陽商会のオーダースーツ新ブランドに体型の3D解析技術を提供

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2019/06/27 12:00

 PKSHA Technologyの子会社で3D関連のアルゴリズムに強みを持つ東大発技術系スタートアップ「Sapeet」の提供する体型の3D解析技術が、三陽商会が2019年9月にスタートするパーソナルオーダースーツブランド 『STORY & THE STUDY』 に導入される。

 Sapeetは、三陽商会のデジタル戦略のテクノロジー・パートナーとして、ブランディング・事業クリエイティブの戦略パートナーのGOとも連携し、従来のウエストやバストといった数値情報だけの測定ではなく、体型の立体的な特徴(いかり肩、なで肩など)を解析する3D解析アルゴリズムを提供する。

 2019年9月からの新ブランドのリリースに合わせ、Sapeetが研究開発してきた3D関連の以下のふたつのモジュールをセミカスタマイズし、今回のシステム開発の協力をした。

3D Fitting Analyzer

ユーザーの写真から体型・姿勢の特徴をとらえ、単純な測定寸法だけでは実現できない快適なフィット感を実現。2019年9月のリリース時には、まずはもっとも着心地に影響を与える部位(肩、腰など)から機能の提供を開始する。

Virtual Design Simulator

顧客のカスタマイズ項目を反映したスーツ・シャツの完成イメージを接客時に共有できる。さらに2着め以降はEC上でデザインを決定すれば、最短10分程度でオーダー可能となる。

 今回提供する技術では、数万体の3D体型データを解析し、実際の店舗試着室の環境下で撮影する写真とを比較しながら、現場の販売員が自然なフローでユーザーにデータを提示するためのソリューションを構築した。

 三陽商会の本事業では、2着め以降のレコメンド内容を充実させ、最適なタイミングでの提案を重ねることで、ユーザーと継続的な関係性を築くことを目指す。そこで、Sapeetは、採寸・3D解析のサービスを一度でも利用されたユーザーへは、過去の購買履歴やサイズ情報に基づき、自身にフィットしたスーツを、シーズンごとに提案するアルゴリズムを開発していく。

 今後は、取得した体型データと、実際に製造した服のゲージと補正寸法の実データを蓄積し、学習させることで、全身写真から補正寸法を自動推定するアルゴリズム開発の検討など、新しいユーザー体験創造のためのR&Dも実施していく予定。