創業時の構想が形に ニューメディアにおけるコンテンツ制作を手がける「Cre8ive Studio」とは

創業時の構想が形に ニューメディアにおけるコンテンツ制作を手がける「Cre8ive Studio」とは
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2020/07/02 08:00

 編集部が注目のクリエイティブ関連サービスを紹介していく本コーナー。今回は、Activ8が開始した、xRコンテンツやCGクリエイティブ制作サービスを提供するコンテンツスタジオ「Cre8ive Studio(クリエイティブスタジオ)」をピックアップ。同社のFounder/代表取締役である大坂武史さんにお答えいただきました。

――まずは御社の事業概要について教えてください。

Activ8では「生きる世界の選択肢を増やす」というミッションのもと、xR時代の中核となり得るバーチャルタレント事業や、インタラクティブエンターテインメントxR(VR、ARなどの総称)コンテンツ事業、 コンテンツ海外進出支援事業などを展開しているスタートアップです。シンギュラリティが起こった先の未来に向けて、5GやxRなどのテクノロジーを活用し、新たなエンターテインメントコンテンツを生み出すことを目指しています。

――2020年5月に設立した「Cre8ive Studio」はどういったものなのでしょうか。

このたび、xRプラットフォームやYouTube、TikTokなどのニューメディアにおけるコンテンツ制作を担う「Cre8ive Studio」を設立しました。VRライブやインタラクティブストリーミング、バーチャルタレントの企画・制作・運用、3Dモデル制作などのサービスを提供していきます。

私たちは3DのバーチャルYouTuberのプロデュースからコンテンツ制作まで、自社事業において展開してきました。その過程で事業をグロースさせてきたビジネスやマーケティングのナレッジも、実体験をふまえた“活きたナレッジ”としてActiv8に蓄積されています。そういった全方位的なナレッジやクリエイティブを、今後はCre8ive Studioを通して提供していきたいと思っています。

技術面では、リアルタイムでの活用を前提とし、3Dモデルに最適化されたリギング技術に強みを持っていると自負しています。5GやxRなどの普及により、インタラクションがコンテンツにおける重要度が高まる中で、Cre8ive Studioが持つリグに対する技術ナレッジは、各クライアントがコンテンツを活用したい場面において貢献できると考えています。

もちろん、バーチャル空間でのビジネスに必要な制作、配信環境の提供や、キャラクタービジネスにおける魅力的な造形からコンテンツ制作など、目的から逆算して最適な手段を提案し、一気通貫で制作まで提供することも実用的な強みだと捉えています。

――なぜ本サービスを開発しようと思ったのですか?

構想としては、創業時からやりたいという思いはありました。私はActiv8創業前、ロサンゼルスと上海にスタジオを持つ、CGスタジオの日本マネージャーとして働いており、3DCGやコンセプトアート、アニメーションなど、おもにゲームで使用されるクリエイティブの受託制作をしていました。だからこそ、Activ8が持つ技術やクラフトマンシップは、「これからのコンテンツフォーマットの基礎になる一方で、いまだ十分に供給されていない制作リソースである」と自信を持てたのかもしれません。

そのCGスタジオで、日本のスタッフは私だけでした。中国か、アメリカに在住しているクリエイターがほとんどでしたが、一緒に仕事をしていくなかで、彼らからの日本のコンテンツやクリエイターへのリスペクトをとても感じていました。日本を中心にクリエイティブスタジオを設立できることは当時からの夢でもあり、世界へ通用するスタジオに成長させていくことができると確信しています。

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2020年になり、コロナ禍によって社会様式や生活変化が求められる今、メディアやコンテンツでもパラダイムシフトが起ころうとしています。5Gもローンチされ、コンテンツフォーマットもさらに拡充されていく今だからこそ、社外のプロジェクトのために活かしていきたいと思い、Cre8ive Studio という形で発表いたしました。

――Cre8ive Studioのリリースにあたり工夫した点について教えてください。

ビジネスから実制作までワンストップで提供できるようになることです。

これまでも動画など新規性の高いメディアから、オフラインイベントやテレビなどの歴史を持つメディアに対し、事業の目的から納品までワンストップで提供できる状態にする、という課題と常に向き合ってきました。Activ8は創業2年目でテレビ番組の企画・制作をしたり、xR音楽ライブのプロデュースから制作、ビジネス展開まで担った案件もあります。

xRやモーションキャプチャなど新しい手法を展開する事例の少ない領域だからこそ、企画段階から入り、ただ新しい手法を活用するだけでなく、コンテンツとして昇華させるべく制作やビジネス展開においてもワンストップで提供できる体制を構築しました。

――なにか苦戦した部分はありましたか?

ビジネス視点とクラフトマンシップの両立です。

私たちはアートスタジオではありません。どのような案件にもビジネスを前提にした目的があり、一方でクリエイターはクリエイティブに魂を入れて創るからこそクリエイティビティと事業目的の間に折り合いを付ける仕事も発生します。

これはActiv8の社内プロジェクトにおいても発生しがちな課題でした。それぞれがプロジェクトのゴールに共通理解を持ち、そのためにすべきこと、制作サイドの事情の双方に理解を示す。そしてお互いにリスペクトを持って取り組める環境や、スキームを創ることを、トライ&エラーの中で身につけてきました。Cre8ive Studioでは、これまでの事業で構築してきたスキームをフル活用し、提供していきます。

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――Cre8ive Studioを今後どのようなサービスに成長させていきたいですか?

今後の展望としては、ふたつの要素があります。ひとつめはCre8ive Studio (クリエイティブスタジオ)からCre8ive Agency(クリエイティブエージェンシー)への進化です。

Cre8ive Studioにおいても企画から制作までワンストップでの提供を目指していますが、クライアントのニーズは千差万別であり、まだまだエージェンシーを名乗れるほどの実績が十分あるわけではないと認識しています。Cre8ive Studio事業をきっかけに、多くのクライアントの課題と向き合い、知見を溜め、「Activ8に任せておけば大丈夫」というレベルまで精進していきたいと考えています。

ふたつめは、世界に通用するクリエイティブを提供することです。Cre8ive Studioをローンチして以降、お問い合わせの約50%は海外の企業からです。前職のスタジオに勤務している時に確信した、日本のクリエイターの力を世界レベルのプロジェクトに提供するハブになりたいと考えています。

Activ8自身、xRやインタラクティブストリーミングなど、ビジネスにおいても実用的かつアップサイドがある手段だと信じ、事業の中心に取り入れていますが、既存の産業にとっても、それらの概念や技術を実用的に用いることができる世界はすぐのところまで来ていると思っています。そのビジョンを一日でも早く実現できるよう、取り組んでまいります。