――まずは御社の事業概要と、ガラパゴスが提供するAIR Designというサービスについて教えてください。
2009年に設立したガラパゴスは、「AIでデザインを空気のようにカンタンに。」をコンセプトに、効率化・最適化が求められるマーケティングクリエイティブの提供サービスを展開しています。二軸となっているのは、AIR Design事業、スマホアプリ開発事業のふたつです。
AIR Designとは、AIを活用して、マーケティングクリエイティブを高速に制作/改善して、広告効果を高めるサービスです。またA/Bテスト実施を前提とし、計画からデザイン納品までワンストップで提供することが可能です。最初のソリューションとしてスタートしたのは、2019年6月にリリースした、AIを活用してLPを制作する「AIR Design for LP」です。
AIR Designに今年の6月新たに加わったのは、AIを活用してバナーを制作する「AIR Design for BANNER」です。本サービスでは、過去3万件分のCTRデータと画像データをAIが解析し、データベースを構築。バナーラフデザインまで自動生成することを可能にしました。AIを用いることで、デザイナーの思考プロセスを可視化し、定量的にバナークリエイティブの良し悪しを判断することができるため、成果のでやすいクリエイティブを誰でも作成できるような仕組みを実現しています。
――AIR Designの開発経緯について教えていただけますか?
ガラパゴスのファウンダーの3名は、もともと製造業のコンサルティングファーム出身です。製造現場で職人に属人化する技能を、プロセステクノロジーにより可視化・標準化・自動化する仕事をしていました。
2009年にガラパゴスを創業し、クリエイティブ領域に事業参入した際、デザインの世界も同じ構造であるように感じました。つまり、デザイナーのスキルも属人的なのではないかということです。
そういった状況を解消するべく、2016年ごろにロゴを自動生成するサービスのリリースを試みましたが、当時は立ち上げることができませんでした。そんなロゴ自動生成サービスをピボットし、2019年9月に生まれたのがAIR Designです。このAIR Designというサービス名には、「デザインという一般的に難しいとされているものを、空気のようにカンタンにしていきたい」という想いを込めています。
――本サービスの開発にあたり、心がけたことはありますか?
デザインというジャンルは義務教育では学ぶことがありません。大学や専門学校などで勉強することはできますが、そういった場所でデザインについて学習したことがある人は一握りだと思います。そのため、多くの人はデザインを作ったり選んだりすることは難しい、という前提でサービスを設計しました。
そのためサービスそのものも、お客さまでデザインを作るセルフサーブ型ではなく、
また、AIR Designは、「予測」と「高速」のふたつを大切にしています。
パフォーマンスが高くなると予測されるLPのワイヤーフレームに関するデータをおよそ4万件蓄積しているので、そのデータから弊社独自のAI画像解析技術「
――最後に、AIR Designの今後の展望について教えてください。
具体的なアップデートとしては、下記のふたつを予定しています。
1.プロダクトラインの拡充
クライアントのマーケティングクリエイティブに関するラインナップを広げていければと思っています。そのひとつとして、2020年8月にAIR Ad Movie(動画広告版)をリリースする予定です。
2.AIR Viewのリリース
AIR Designで改善した結果を可視化できる管理画面を提供する予定です。バナー、LPのクリエイティブの組み合わせを起点に、CTR、CVR、CPAを可視化し、
また、バナーの画像情報を弊社のReverseDesignによって因数分
AIR Design全体においては、動画やオフラインのDM/ポスティング、そしてスマホアプリに範囲を拡大していければと考えています。
AIR Viewではクリエイティブにおけるパフォーマンスの可視化が、またAIR LPやAIR Bannerでは最適なクリエイティブをうけとることができる。そしてそのプロセスはすべてオンラインで完結し、手を動かすことなく、"空気"