面接で意識すべきポイントや事前に準備すべきこととは キュービック流採用の流れを一挙公開!

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 どうやってチームをマネジメントしていくか――。そんな悩みを抱えている管理職の方も多いのではないでしょうか。本連載では、インターネットメディア事業を行っているキュービックでCDO(Chief Design Officer)を務めている篠原健さんに、「デザイナーのマネジメント」をテーマに解説していただきます。第2回は、中途採用についてです。

デザイナーを採用する前にすべき準備とは

 前回は、組織のビジョンや評価についてお話したが、今回はよく相談を受けるデザイナーの採用のなかでも、中途採用をメインに触れていきたいと思う。

 現在私が従事しているウェブやアプリといったインターネット付随サービスのデザイナーにしぼって、全国にどのくらいいるのかをまず調べてみた。

出典:デザイン政策ハンドブック2020

出典:デザイン政策ハンドブック2020

 このデータによれば、2015年当時でインターネット付随サービス業が23,630人となっている。もっと増えている可能性ももちろんあるが、この数字は決して多いとは言えないと思う。またIT業界の平均離職率が平均10%前後と言われているので、これをデザイナーを当てはめると、年間でおよそ2,300人が転職やフリーランスになっている計算になる。

出典:デザイン政策ハンドブック2020

出典:デザイン政策ハンドブック2020

 またデザイナー全体の内訳をみると、フリーランスが23.7%、インハウスデザイナーの割合は74.6%となっている。インターネット付随サービス業に従事していたデザイナーが、離職後もインハウスデザイナーになる可能性を74.6%とすると、約1,700人が再度インハウスデザイナーとして転職していることに。つまり、月で換算すると140人ほどが転職活動をしていることになる。(ほかの業種へ転職する人などもいると思うが、その調査結果は見つけられなかった)

 単純な数字の計算ではあるが、1ヵ月で転職する140人を全国の企業で採用するとなると大変な倍率だろう。

 だが、今まで私は採用にあまり悩んだことがない。年間の実績でデザインマネージャーを含む中堅以上のデザイナーを昨年から今年にかけて、約1年で5名を計画し、計画通り5名採用することができた。2ヵ月に1名ほどのペースを想定し、計画していった。

 たしかにデザイナーの絶対数はまだまだ少ないが、採用する側が準備を整えることができれば、採用は決して難しいことではないと思う。

 今回はどのようにしてその準備をして面接に挑んでいるのか。面接で心がけていることや、採用が決まるまでのプロセスなどについて述べていきたい。まずは準備のフェーズから見ていこう。

準備(1)可視化する

最初にすべきことは、現在足りていないのはどんなデザイナーなのかを考えていくことだ。たとえば、キュービックが求めているデザイナーの要件やフローは下記のとおり。

  • 前提理解・制約理解:ビジネスの理解/ユーザーの理解/プロジェクトのゴール設定
  • 要件・アイディア:インサイトの抽出/ゴール到達に必要な要件、要件を満たせるアイディアを考える
  • 現実化:ワイヤーフレーム作成/アウトプットのクオリティ
  • 改善(グロース):CV、誘導率改善など

この中でスタイリング(意匠=形にする部分)はほんの一部で、それ以外で求めている部分が多いことがおわかりいただけるだろう。採用する側はデザイナーに、広く多くを望んでいる場合が多いのだ。

一方、これから転職しようとしているデザイナーも、転職するならば多くの権限をもち、スキルの幅を広げられる場所を探しているケースが多いように思う。

認識の齟齬をなくすためにも、デザイナーに望むことを可視化し、計画を練ったうえで採用に臨むことをオススメしたい。

準備(2)自社のやりたいことを明文化する

社内にデザイナーがいる場合は協力してもらい、もしいない場合は、知り合いやSNSなどでデザイナーマネジメントをしている人に直接協力をお願いするのがよいと思う。まずは、社内のデザイナーの状況を可視化しよう。

  1. 理想の状態を未来に仮置きする
  2. 現在の状況を見える化して置いてみる
  3. 差分を書き出してみる

現在所属しているデザイナーはどれくらいの人数がいるのか、どのような雇用形態か、どんな業務フローで働いているのか、といった情報をもとに、本来自社ではどんな働きかたをして欲しいか、デザイナーにどんな期待をしているのか、などを言語化する。

もしほぼゼロからデザイン組織を作るのであれば、経験上最低1年半以上はかかるので、採用に関しても同じくらいかかると考えると良いのではないだろうか。

準備(3)所属デザイナーのスキルをプロットし、スキルポートフォリオを作る

これにより、どの部分のスキルが足りないのか、どの部分を強化したいか、どんなデザイナーが在籍するようなカルチャーにしたいのか、などを把握することができるので、どのような人材を採用するべきかがわかりやすくなる。

準備(4)課題の明文化

人数やデザイナーに期待するべきことなどが見えてきたら、次は現状の課題を洗い出す。下記のようにどんなことでもよいので、まずは書き出し、見える化しよう。

  • デザイナーが辞めてしまう理由は?
  • なぜ採用してこなかったのか?
  • なぜ採用したのに辞めてしまったのか?
  • デザイナーに対してどう思っているか?
  • 今デザイナーが必要な理由とはなにか

 そのうえでデザイナーがいないがゆえの課題はどこにあるのかを考えていく。すると、こんな問題点が出てくるのではないだろうか。

  • スキルを定量で測ることができない
  • デザイナーの気持ちがわからない
  • アウトプットの良し悪しを判断できない
  • どう扱っていいかわからない
  • マネジメントできない

 また場合にもよるが、相談を受けていて課題として多いと感じるのが、経営者など上層部がデザイナーの採用へ理解を示していない、ということだ。

 そのため採用を強化する場合には、課題感や現状の資料を経営層に見せ、経営そのものの問題だと捉えてもらうとよいだろう。転職エージェントとのやりとりや1次面接から参加してもらうなど、協力してもらえることはたくさんあるだろう。

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