こんにちは。法人向けクラウド名刺管理サービスSansanのマーケティング部でデザイナーをしている玉井です。イベントや展示会、ユーザーコミュニティなどのクリエイティブを中心に担当しています。
Sansanのクリエイタープロジェクト、Juiceがお送りしてきた連載はこれが最終回となります。今回は、2020年に急速に広まったウェビナーなど、オンラインイベントにおけるクリエイティブの考えかたについてお話していきます。
コロナ禍で急速に進んだイベントのオンライン化
2020年のもっとも大きな出来事のひとつ、新型コロナウイルスの世界的な流行によって、人が集まることが難しくなり、ビジネスシーンでもリモートワークへのシフトといった大きな変化がありました。Sansanでは会社としてもっとも大きなビジネスカンファレンス「Sansan Innovation Project(以下、SIP)」の開催を3月に予定していましたが、2月に入り延期を決断しました。(後に中止が決定)
その後緊急事態宣言が発令され、オフラインでのイベントの開催は絶望的な状況になってしまいました。しかし、ビジネスの出会いからイノベーションを生み出すことをミッションとしている私たちにとって、「何もしない」という選択肢はありません。ほどなくしてSansan初のフルオンラインでのビジネスカンファレンス「Sansan Evolution Week 2020 -ビジネスを進化させる5日間-」(以下、SEW)の開催が決まりました。
オンラインイベントにおけるクリエイティブの役割
Sansanにとってイベントとは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを体現する場にほかありませんが、オンラインイベントにはさまざまな制約があります。それを解決し、オフラインと変わらない、むしろ超えていくような体験を後押しすることが、イベントにおけるクリエイティブの役割ではないかと思っています。
ここからは、オンラインイベントの体験を向上させるクリエイティブについて、具体的に考えていきましょう。
オンラインイベントは、隙間時間を使っていろいろな場所から参加することが可能です。参加へのハードルが下がる分体験がチープにならないよう、コンテンツを充実させることはもちろん、コンセプトに沿ったキービジュアルの打ち出しは非常に重要です。SEWでは、オンラインで登壇するスピーカーが使用できるよう、イベントオリジナルのバーチャル背景を用意しました。
また、場所だけでなく、参加者が使用するデバイスもPC、タブレット、スマホとさまざま。参加者全員が同じスクリーンを見ていた登壇資料も参加者によって閲覧環境が異なることを想像しながら、文字の大きさやデザインなど細かくカスタマイズしていくことが必要でしょう。
ビジネスカンファレンスに欠かせない、参加者同士のネットワーキングについては、Sansanのオンライン名刺と連携した「EventHub」の活用により、スピーカーやスポンサーを含めたオンライン名刺交換、メッセージのやりとりなどが可能に。フルオンラインながらも、インタラクティブなカンファレンスにすることができました。