YouTubeのデータを可視化 クリエイターニンジャの「TUBERSダッシュボード」とは

YouTubeのデータを可視化 クリエイターニンジャの「TUBERSダッシュボード」とは
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2021/01/26 08:00

 編集部が注目のクリエイティブ関連サービスを紹介していく本コーナー。今回は、クリエイターニンジャが開始した「TUBERSダッシュボード」をピックアップ。同社の代表取締役社長である梅澤亮さんにお答えいただきました。

――まずは御社の事業概要について教えてください。

2016年12月に創業し、「クリエイターの支援を通じて文化をつくる!」というミッションのもと、YouTubeに特化したプラットフォームおよびYouTube分析サービス「TUBERS」などのツールを開発・展開しています。クリエイターニンジャでは、国内のYouTube約13万チャンネル、 およそ4,000万ビデオから日々のデータを収集し、独自のデータベースにもとづく解析を行っています。

――広告主や代理店、YouTuber事務所向けに提供する「TUBERSダッシュボード」にはどういった特徴があるのでしょうか。

TUBERSダッシュボードは登録者数の変動や再生数の変動だけでなく、YouTube上だけでは把握できないエンゲージメントや評価率、視聴者の年齢・性別などの多数項目を分析・閲覧・レポート化できるツールです。

このツールには、複数のチャンネル・動画の動向をまとめて閲覧できるリスト機能や、任意のチャンネルと近しいチャンネルを教えてくれるライバル機能、チャンネルのアナリティクスを表示する比較機能、製品や広告主ごとに動画を確認できるタイアップ機能などが実装されています。

これらの機能によりさまざまな視点からチャンネルや動画のデータを確認することができるため、より高度なトレンド情報を把握することが可能になるほか、クライアントへのレポートとしても活用することができます。

――なぜTUBERSダッシュボードの提供を開始したのですか?その経緯について教えてください。

弊社はYouTubeクリエイター向け事業で4回ピボットしています。以前はYouTuberキャスティング事業を展開し、広告主とYouTuberのタイアップを斡旋していました。その際、より成果を発揮できるようなYouTuberをキャスティングするべく、自社で各YouTuberのデータを社内分析用に蓄積していたところ、取引している企業さまからデータを閲覧したいと相談がありました。それをきっかけに、いままでためてきたデータにニーズがあることを感じ、市場調査をはじめました。それが「TUBERSダッシュボード」として事業展開をしたきっかけです。

――サービスの開発にあたり、工夫した点や苦労した部分はありますか?

プロダクトマーケットフィット(PMF)を早急にテストできるよう、α版ができた段階で、今後お客さまになり得る企業さんに無償で使ってもらうことで、たくさんのフィードバックをいただきました。サービスとしては後発だったこともあり、国内外の競合サービスを徹底的にリサーチし、それらのサービスの良い部分を取り入れていきました。同時に、ほかのプロダクトと差別化できるような独自性についても、深く議論しながら開発しました。

なかでもデータ保有数が多かったため、莫大なデータの処理や、リアルタイムのデータ表示のスピードといった独自機能の開発が苦労した点です。ニコニコ動画とその周辺サービスの開発を行った木野瀬友人さんにも技術顧問として参画していただいたり、大学の教授にもアドバイスをいただきました。

営業面では不足していたリーチ数を補うべく、インターネット広告事業やインターネットメディア事業を展開するフォースリーと資本業務提携を結びました。

――最後に、TUBERSダッシュボードの今後の展望について教えてください。

先述のフォースリーとの提携で、彼らがもつ成果報酬型広告販売力によってシナジーを生み出し、法人向けのTUBERS販売販路の増加やOEM事業の展開など、両社でタッグを組んで業界No.1を目指します。

また、「クリエイターの支援を通じて文化をつくる!」というミッションの元、TUBERSをビッグデータサービスプロバイダーの領域でNo.1のポジションへと引き上げ、グローバル展開も進めていきたいと考えています。

TUBERSダッシュボードは日々開発し機能の向上に努めておりますが、今後はクライアントさんからの要望も多い、YouTuberのオーディエンスデータに基づいたチャンネル検索機能をリリース予定です。

引き続きユーザー企業のニーズをヒアリングしつつ、自社企画も含めて今後も多方面での機能開発を予定しています。クリエイターニンジャの成長に今後もご期待ください!