特許技術を利用した機能強化も 3Dシミュレーションサービス「Urbanbase Studio」とは

特許技術を利用した機能強化も 3Dシミュレーションサービス「Urbanbase Studio」とは
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2021/02/12 08:00

 編集部が注目のクリエイティブ関連サービスを紹介していく本コーナー。今回は、URBANBASEが開始した「Urbanbase Studio」をピックアップ。同社の代表取締役 CEOである大野将弘さんにお答えいただきました。

――まずは御社の事業概要について教えてください。

2019年8月に創業し、Urbanbase(アーバンベース)は間取り図の3D変換技術とAR・VRビューワーを用いて「3D空間データプラットフォーム」を提供しています。世界中の屋内空間情報をすべてプラットフォーム内に持ち、無料で利用できるようにすることを目指しています。

おもに、下記のようなインテリア・不動産向けのVR/AR/AIソリューションを提供しています。

  • 平面図面をAIで3D化するソリューション (LiveSketch/AutoSketch)
  • 3D空間で家具・家電を配置・シミュレーションサービス (Urbanbase Studio)
  • VR/AR/AIのアプリ開発やSDK/APIの提供

――2021年1月に提供を開始された、3Dインテリアシミュレーションサービス「Urbanbase Studio」にはどういった特徴があるのでしょうか。

Urbanbase Studioはインテリア業界向けの3Dシミュレーションサービスです。家具メーカーの店舗や一般ユーザーが、オンラインで家具・家電などの3D商品モデルを配置、シミュレーション、ウォークスルーすることができます。

特徴的な機能は以下になります。

  • LiveSketch:誰でも簡単に3D図面作成
  • HomeDesign:最先端3Dインテリアシミュレーター
  • ウォークスルー:家具を配置した3D空間をウォークスルー、サイズ感・圧迫感を確認
  • VR/ARアプリ:モバイルアプリでのVR/AR家具シミュレーションへの拡張も可能
  • リフォーム:間取りを自由に変更

――なぜUrbanbase Studioの提供を開始したのですか?その経緯について教えてください。

以前から弊社の空間における技術をベースに、同様のシステムを個別に開発していました。多くの商談の中で同じような要望があったため、SaaS化の計画を前倒し、2020年の夏ごろから本格的に本サービスの立ち上げを進めていました。

SaaSとして提供することで、開発にかかる大きな初期投資をなくし、導入までのリードタイムを大幅に短縮することが可能になりました。インテリアメーカーさまは大きなリスクをとることなく、1アカウントから利用を開始していただくことができます。

現在の初期バージョンは、おもにインテリアメーカーさま向けの機能を提供しています。たとえば家具メーカーさまの店舗では、店舗スタッフやインテリアコーディネーターが、お客さまの部屋をウェブUIから作図・3D化し、そこに家具や小物を配置してお部屋をコーディネートする際に使っていただいています。コーディネートした空間をウォークスルーすることもできるので、家具のサイズや実際の圧迫感などを感じることができる機能も搭載しています。

――サービスの開発にあたり苦労した点、また工夫したことはありますか?

このようなシミュレーターは操作感やスピードに対し高いレベルが求められるので、とにかくサクサクかつわかりやすく動作するよう、開発チームは試行錯誤をしながら研究し、本サービスを開発しました。その結果、私たち自身もとても満足するサービスを作ることができたと思っています。

また、現在のBtoBモデルの先にBtoBtoCモデルも考えているため、常に利用する家具店の専門スタッフだけではなく、一般のお客さまでも簡単に操作できるような、わかりやすいユーザー体験を提供できるよう心がけています。

――最後に、Urbanbase Studioの今後の展望について教えてください。

今後は、その店舗でコーディネートした空間をお客さまが家に持ち帰り、自宅のPCやモバイル環境で確認したり、追加でのコーディネートや、コーディネートしたものをネットでそのまま購入することが可能になる予定です。2021年中には、間取図面の画像を読み取り、AIで瞬時に3D化する弊社の特許技術を利用した機能強化も計画しています。

また中長期的には、弊社の「空間」を扱う技術で、住まいの空間・3D情報を中心に、インテリア、不動産、設計・建設など、提供できる事業領域を広げていきたいと思っていますので、ぜひご注目ください。