Instagramの撮影が決まってまずすべきことは? 準備に不可欠な4つのステップを徹底解説

Instagramの撮影が決まってまずすべきことは? 準備に不可欠な4つのステップを徹底解説
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 企業による情報発信の手段として活用されることも多いSNS。本連載では、そのなかでもInstagramのクリエイティブにフォーカスします。企画から投稿にいたる各フェーズでおさえるべきポイントやクリエイティブづくりの基本を、FinTで運用ディレクターをつとめる荻津こはるさんが解説。第2回は「撮影準備」がテーマです。

 こんにちは。株式会社FinT 運用ディレクターの荻津こはるです。普段は企業さまのInstagram運用に関する企画立案・制作進行・検証を行っていますが、アカウントでは投稿に用いるクリエイティブを撮影する部分から担当しているため、本連載では企画、撮影準備、撮影当日、投稿の4つに分けてノウハウをお伝えしていきたいと思います。

 2回めとなる今回は、すべての工程の中でもっとも重要だと言える「撮影準備」について、おもにコスメ系のアカウントを例に挙げながら紹介します。

撮影準備のための4つのステップ

  1. 投稿内容からリファレンスシートを作成
  2. スタジオのキープ・予約
  3. すり合わせ
  4. プロップ準備

1.投稿内容からリファレンスシートを作成

 リファレンスシートとは、撮影時に参照するカットの詳細を記載したものです。撮影当日はこのシートをもとに進行していくため、これさえ見ればすべてがわかるように情報をまとめておく必要があります。またこのシートは、より正確に自分のイメージを関係者全員に伝える役割もあるため、誰が見ても理解できるよう、各項目の詳細を端的に記載します。

 リファレンスシートに記載すべき内容は次の7項目です。あくまでInstagram投稿用の撮影に必要な内容のため、それ以外の撮影とは違う部分が出てくる部分があるかもしれません。また、アカウントによっても必要な項目は変わってくるので調整が必要になるということも覚えておきましょう。

リファレンスシートに記載すべき7項目

  1. 参考画像の選定
  2. プロップの配置イメージ
  3. 必要プロップの書き出し
  4. 天板イメージ
  5. 光のイメージ
  6. カメラアングル
  7. 香盤表

1.参考画像の選定

前回の記事では各投稿の内容を決めるところまでをご紹介しました。次のステップは、投稿内容を画像にするため、撮影時のお手本となる参考画像を探すことです。一口にお手本と言っても、なにを参考にしたいのかによって該当する画像は異なりますが、ここではシンプルに、完成画像としてもっとも近い構図の画像を持ってくることをオススメします。

とはいえ、すべての要素が理想通りの画像を探すのは至難の業。うまく探せない場合は、メインとする参考画像の要素を分解して、各要素にあった参考画像を用意したり、自分でラフ画を描くのも良いでしょう。

2.プロップの配置イメージ

プロップとは「小道具」を意味する日本語で、撮影では使用する小物全般を指します。1ではお手本とする構図を視覚的に伝えますが、ここでは具体的にどこに何を置くのかなどを言葉でも説明する項目をつくります。これにより「なんとなくこんな感じにしたい!」といった解像度だったものを、「何をどこにどのように配置するのか」という詳細まで落とし込むことで、よりイメージしやすくなります。

たとえば「ベッドサイドテーブルに保湿ジェルが置いてあるシーン」の場合、

  • 手前にサイドテーブルを置き、奥にベッドを見切れるように写す
  • 手前のサイドテーブルの上には花瓶やメガネと共に保湿ジェルを配置
  • 背景には窓枠を写す

といったように画像を見た人ごとに齟齬が起きないよう、大部分を言語化していきます。

出典:「アンレーベル公式」アカウント

出典:「アンレーベル公式」アカウント

3.必要プロップの書き出し

2で使用したいプロップがある程度イメージできたあとは、実際に用意するものを箇条書きで書き出します。その際、実際に自分が購入するつもりで各プロップの細かな特徴まで鮮明にイメージしておくと、あとの工程がスムーズになるでしょう。

たとえば先ほど例に挙げたベッドサイドのシーンの場合、シーツの色は何色か、花瓶はストレートなものかゴージャスな形のものか、メガネは金縁かベッコウ柄のものか、用意するお花はどの種類が良いのかなどを考えます。

ベッドなど大きなプロップは、ハウススタジオに用意されているものを使うことが多いです。持ち込みができないスタジオを使う場合、事前にブランドのトンマナやプロップの細部まで想像できていないと「本当は木枠のメルヘンな猫足のベッドが必要だったのに鉄パイプの無骨なベッドしかない」といった齟齬が生まれかねません。プロップ欄には、事前にわかる範囲で細部まで記載しましょう。

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