Windows標準「ペイント」の便利な使い方と使える小ワザ5選!

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2022/05/02 00:00

 Windowsに標準搭載されている「ペイント」は、思いのほか便利なソフト(アプリ)だということをご存じだろうか。標準搭載ソフトは機能に乏しいことや使い勝手がよくないこともあるが、ペイントの場合は例外といっていいだろう。そこで今回は、ペイントの便利な使い方を踏まえて、基本的な機能とその操作方法、ここぞというときの使える小ワザ5選をお届けする。

ペイントでできることと便利な使い方

 ペイントは、Windowsに標準搭載されている無料アプリのひとつで、シンプルな描画や簡単な画像処理ができる。当然ながら有料ソフトより機能が限定されるが、その分アプリとしての動きの軽さが大きな特徴だ。

 高画質でデータサイズの大きな画像を開くときにもスピーディーに起動するため、この特徴を活かして簡単な処理や修正に使うのが便利な使い方といえる。Windowsユーザーであれば、スクリーンショットに写り込んでいる余分な部分をトリミングするときによく使っているという方もいるだろう。

ペイントの基本的な機能と操作方法

Laptop and paint

 ペイントの主な機能は、「テキスト」「図形」「ツール」「イメージ」の4つだ。もちろんクリップボード(コピーしたデータを一時的に保管しておく場所)とカラーパレットもある。

 起動も簡単だ。Windowsキーを押して「mspaint」と入力するとアプリが選択されるので、エンターキーで確定しよう。すぐにアプリの画面が立ち上がってくる。アプリを同時に複数立ち上げておいても、それほど動きは悪くならない。では、基本的な機能と操作方法を見ていこう。

テキスト

 テキスト(文字入力)は、ツールの機能のひとつだ。「A」と表示されているアイコンをクリックし、画面内のテキストを挿入したいところでクリックすると四角の枠が表示される。その中にテキストを入力しよう。デフォルトのカラーは黒で、背景は透明だ。

 文字入力に加えて、フォントやフォントサイズ変更、フォントの装飾(太字、斜体、下線、取り消し線)、色の選択ができる。カラーパレットに必要な色や好みの色がない場合には、色の編集機能を使って色を作ることも可能だ。テキストの背景を不透明にしたい場合は、不透明を選ぼう。色2が適用される。

 変更の際には、あらかじめテキストを選択しておき、太字や斜体など施したい変更をボタンで適用させよう。編集が終わって確定するときには、枠外をクリックすればいい。なお、元に戻したいときには、タイトルバー左上に表示される矢印ボタンをクリックするか、「Ctrl+Z」で実行される。

図形

 図形描写には2つの方法がある。自由に描画する場合と、用意されている図形を選んで使う場合だ。

 自由に描画する場合はツール内の鉛筆またはブラシを使って描いていく。ブラシのスタイルは全9種類で、ブラシ、カリグラフィ(2種類)、油彩、水彩、マーカー、クレヨン、鉛筆、エアブラシがある。

 用意されている図形は全23種類で、よく使われるのは三角や四角、円、星、ハート、矢印、吹き出しなどだ。使いたい図形を選択して画面上でドラッグすると図形が表示される。

 表示された図形の輪郭のスタイルと色は、変更可能だ。輪郭のタッチは、クレヨン、マーカー、油彩、水彩、鉛筆の5種類があり、それに単色とアウトラインなしを加えて全7種類のスタイルから選ぶことができる。線の幅も4種類ある。

 図形の塗りつぶしも輪郭と同様で、塗りつぶしのパターンは前述の7種類だ。図形の場合は、色2のほうの色が適用されることを覚えておこう。

ツール

 ツールには、鉛筆、塗りつぶし、テキスト、消しゴム、色の選択(スポイト)、拡大鏡(虫眼鏡)がある。すでに触れた鉛筆などを除外して見ていこう。 消しゴムは、こすったところのデータをすべて消し去ってくれる。ペイントでは、このレイヤーだけという指定はできない。色の選択は、クリックした部分の色をスポイトのように自動的に吸い上げ、色1に適用する機能だ。色2では色の選択ができない。拡大鏡は、クリックするたびに100%ずつ画面表示を拡大する。

イメージ

 イメージでは、画像の選択、トリミング、サイズ変更、回転ができる。

 画像の選択方法は3種類で、四角形選択と自由選択、すべて選択がある。自由選択では、選択後に四角形の枠が表示されるが、Deleteキーを押すと選択部分だけが削除される仕組みになっている。

 トリミングをしたい場合、残したい部分を選択してからトリミングボタンを押そう。そうすると、選択しなかった部分がすべて取り去られる。

 サイズ変更には2種類の方法があり、パーセントかピクセルかを選択できる。変更は数値で指定が可能だ。デフォルトで「縦横比を維持する」にチェックが入っているため、比率を無視したい場合にはチェックを外そう。傾きを設定することも可能で、ほぼ直角(89度)まで画像を斜めにすることができる。

 回転では、90度ずつ左右に回転させることに加えて、上下左右の反転も可能だ。

使えるペイントの小ワザ5選

word tips on colorful wooden cubes

 ここでは、使えるペイントの小ワザ5選をご紹介しよう。実務の場面で役立ちそうなものをピックアップした。

不要なものを消す

 不要なものを消すというのは、よくある作業のひとつだろう。

模様などを消したい場合

 単一の背景色に何らかの模様や図形があり、それを消したい場合、背景色を選択し、その範囲を広げることで模様や図形を背景色で塗りつぶすことができる。

風景写真に写り込んでいる人物を消したい場合

 自由選択で人物の近くの風景を選択しコピぺすると、左上にその複製が表示される。複製の背景色を消したい場合には、「透明の選択」を選ぶことで背景色を無色にできる。複製された画像を消したい人物の上に重ねれば完了だ。隠しきれなかった場合には、何度か同じ作業を繰り返す、または自由選択からやり直そう。必要なものを足す

 不要なものを消すのとは逆に、必要なものを足すこともできる。

模様などを足したい場合

 増やしたい模様や図形を選択し、Ctrlキーを押したままスライドさせると複製ができる。なお、Shiftキーの場合は模様そのものを移動可能だ。

風景写真内に人物を足したい場合

 画像内の人物を自由選択で囲うようにして選択し、コピペする。複製された人物をしかるべき場所に配置すれば、人物は増やすことができる。

正方形を長方形に変形させる

 正方形を長方形に変形させることも可能だ。例えば、印刷物の模様をデザインし直しているときなどに使える小ワザだといえるだろう。操作は、まず正方形の半分を選択し、Shiftキーを押したまま矢印で伸ばしたい方向に選択範囲を動かそう。そうすると、矢印キーを押した分だけ辺が伸びていく。モザイクをかける

 画像内の人物にモザイクをかける場合、まずは顔の部分を四角形選択しよう。次に、選択したことを示す枠線の右下にカーソルを当て、表示が両矢印になったことを確認し、左上へと移動させ、選択範囲を縮小させる。その縮小させた選択範囲を、再び元の選択範囲の大きさまで戻せば、モザイクの完成だ。

画像の切り抜き

 画像の切り抜きをする場合、自由選択で切り抜きたいものを囲うように選択し、まずはざっくりと切り抜く。切り抜いた画像を新しいファイルに貼り付け、細かい部分も自由選択で切り取るか、消しゴムで消すことを繰り返せばいい。なお、対象物の自動的な範囲選択は、ペイント3Dのマジック選択が便利だ。興味のある方はペイント3Dを使ってみることもおすすめする。

Creative young woman working on laptop in her studio

 ペイントは、実は簡単な処理や修正には向いているといえる。ちょっとした作業で有料ソフトを立ち上げると、予想外に時間を要して待たされることもある。そんなときこそ、ペイントの使い時だ。