Excelでチラシ作成!簡単プロ見えのコツと無料テンプレート集

Excelでチラシ作成!簡単プロ見えのコツと無料テンプレート集
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2022/05/06 00:00

 WordやPowerPointだけではなく、Excelでチラシを作成することも可能だ。Officeアプリの中では表計算やグラフ作成、データ集計のイメージが強いExcelだが、チラシ作成に使える素材や編集機能を、実は備えている。ここでは、Excelを使ってチラシを作る際のコツとチラシ作りに使える機能、プロ見えする無料テンプレート集7選を紹介する。

Excelでのチラシ作成の流れと3つのコツ

 Excelでチラシを作成するにあたって、デザインや編集作業に入る前にやっておきたいことがある。それは、ページ設定だ。これには理由がある。Excelでチラシを作る際、もっとも微調整を必要とするのが印刷だからだ。デザインを決めてから印刷に関わる設定をすると、素材やテキストの位置が微妙にズレ、せっかく作ったデザインが崩れてしまうことがある。

 Excelの場合、次の順番で作業を進めることがチラシ作成のコツだ。

  1. ページ設定
  2. デザインや編集
  3. 印刷

 チラシを作る作業では、まず「ページ設定」でサイズを決める。テンプレートの数が豊富なので、おすすめはA4だ。印刷に備えて余白はゼロに設定。デザインを開始する前に列の幅を規定より小さくしておくこともおすすめする。列幅を3に設定すると、グリッド線のように使うことができる。表示を「改ページプレビュー」にしてページの際が見える状態にしてから作業開始だ。

 デザインや編集作業では、先に画像を取り込んでおくといい。どのような処理ができるかで、ほかのイメージも決まってくることがある上、地の色(無色透明だが)を隠してくれるからだ。見える部分については、「図形」から四角などを使って用紙全体を埋めていく。テキストはその上に載せるようにしよう。

 デザインが完成したら、まずはPDF化しよう。その前に、印刷プレビューで用紙の端に白い部分がないか確認し、白い部分があるなら画像や図形を少し拡大して調整を重ねる。この作業に少し時間がかかることがある。しかし、調整を終えてPDF化が完了すればチラシ作成は完了だ。Excelからそのまま印刷するのではなく、PDFで位置関係を固定してから印刷するのもコツのひとつといえる。

チラシ作成に使えるExcelの機能一覧

woman with data dashboard graphs

 ここでは、チラシ作成に使えるExcelの機能を見ていく。機能は大きく、チラシの素材、画像処理、テキスト、配置の4つに大きく分かれる。

素材

 Excelのメニューバーには「挿入」タブがあり、表示されるリボン内に「図」というグループがある。図の中にあるのは、「図形」や「アイコン」「3Dモデル」「SmartArt」というボタンだ。備えつけの図形は約200種類。そもそもビジネス向けアプリのため、図形はチャートや説明資料などに使用されるシンプルなものが多い。具体的には、直線や曲線に加えて、基本的な図形、矢印、リボン、星、吹き出しなどだ。

 アイコンにはさまざまなイラストがあり、その数はおびただしい。Excelではアイコンという呼び名になっているが、アイコンには図形以外の素材が集まっている。アイコン内には「画像」「アイコン」「人物の切り絵」「ステッカー」「イラスト」「マンガの読者」というタブがあり、それぞれに素材が多数格納されている。有料ソフトに負けないくらいの点数だ。

 3Dモデルの素材数はそれほど多くはない。SmartArtにもグラフィックが納められているが、「リスト」「手順」「階層構造」「集合関係」「マトリックス」など、Excelが本来得意とする図表やグラフなどを用いた説明資料に使用される頻度の高いものに特化されている。

画像処理

 画像処理の機能を見ていこう。画像は、図グループの「画像」ボタンから挿入することも、ほかのアプリからコピペすることも可能だ。挿入した画像をクリックすると、リボンの表示が「図の形式」に変わる。Excelができる主な画像処理は、「調整」と「図のスタイル」だ。

 「調整」では、図の明るさや色彩、コントラスト、シャープネス、透明度などを調整できる。所定のフィルタを使って、画像に一定の効果を施すことも可能だ。

 調整内にある「背景の削除」では、画像内の背景を自動的に認識して、トリミングするエリアを色で示してくれる。自動認識したエリアを修正したい場合、「+」「-」のマークを押し、カーソルが鉛筆に変わったことを確認してから、その鉛筆で画像をなぞるとエリアを拡大・縮小できる。確定させるには「✓変更を保持」をクリックすればいい。

 「図のスタイル」では、図の枠線や背景のパターンが28種類用意されている。そのほかにも、「図の枠線」や「図の効果」を使って、画像を加工可能だ。

 「トリミング」の方法には大きく3種類があり、カーソルで自由に範囲を決める、縦横を数値(cm)で指定する、図形に合わせて切り抜きをすることができる。反転や回転も可能で、回転については1度単位で指定可能だ。

テキスト

 Excelで編集しやすい文字を入力したい場合には、「テキストボックス」を使う必要がある。挿入タブで表示されるリボンの中にある「テキスト」ボタンをクリックしよう。テキストボックスは、画面上のどこでも自由に移動させることができる。イラストや画像などと重ねることもでき、フォントやフォントサイズ、太字、カラーなどの変更や360度の回転も可能だ。

 もうひとつの文字の入力方法は「ワードアート」で、スタイルの決まっている文字集だ。「輪郭」「塗りつぶし」「効果」の3つの装飾が可能なので、タイトルやキャッチなど、人目を引きたいところに使うといいだろう。

配置

 画像や図形、テキストなど複数のオブジェクトの位置を揃えることができる。「配置」では、上下左右や中央など、どの位置にオブジェクトを揃えるか指定可能だ。オブジェクトを重ねる順番を「前面へ移動」「背面へ移動」ボタンで自由に入れ替えることもでき、オブジェクトをグループ化し、位置関係を固定することもできる。レイヤーという考え方はなく、単位はあくまでもオブジェクトだ。

簡単でプロ見え!チラシのテンプレート集7選

 チラシ作成には、すでにExcelで作られているテンプレートを有効活用することも併せておすすめしたい。Excelで作られているチラシは多くないが、デザインの参考にしてもらえれば幸いだ。

Group of diverse and creative colleagues working on computers in the modern office or coworking space

Microsoft

Canva

PIXTA

パワポン

ラクスル

デザインAC

グラフィック

 Excelでのチラシ作成には、Excelを使用するからこそのコツがある。それは、Excelの機能とその特徴を知り、それを上手に使ってチラシ作りを進めていくことだ。冒頭でお伝えした3つのコツがそれに当たる。デザイン系ソフトを使い慣れている人からすると、両者のできることの違いに驚くこともあるかもしれない。しかし、そもそもデザイン向けに設計されていないアプリでここまでできるのだ。そのことを踏まえて、Excelでチラシを作成しよう。