こんにちは。SNSマーケティングを支援しているFinTの高橋です。
前回はInstagramの運用ノウハウとして、メディア型アカウントと呼ばれる運用方法のメリットとデメリットをそれぞれお伝えしました。今回はメディア型アカウントの運用の最重要ポイントである、運用目的の設定について解説していきます。
情報をキュレーションし、ユーザーに提供価値の高い情報を届けることが主な特徴であるメディア型運用では、企業の持つサービスやプロダクトのビジネスモデル、そのための運用目的によって発信する内容がまったく異なります。
メディア型アカウントの場合、「どのような内容を発信するか」というコンテンツ面を先に考えるのではなく、「運用に着手する前に何を仕込むか」が非常に重要になってきます。事業として正しい指標を設定するためにも、「なぜ、Instagram運用を行う必要があるのか」をきちんと把握することからスタートできるよう、今回は運用目的の分類、実際の投稿内容への反映方法などをお伝えできればと思います。
インスタメディアの乱立時代と言われる昨今、企業ごとで運用目的や発信しているコンテンツも多岐にわたります。そのため、このあと紹介する目的はあくまでも、もっともオーソドックスなものであること、そして特性上、内容が細分化されることをご了承ください。
ふたつの運用目的とその特徴
メディア型アカウントの運用目的は、大きくふたつに分けられます。
- 直接コンバージョンにつなげるため(商品購入やサービスの利用など)
- ブランドや会社のイメージ戦略のため (イメージの向上、認知度の向上など)
イメージしやすいのは、Instagramが直接の購買チャネルになっている①の目的でしょう。実際に、消費財の訴求やアプリのダウンロード促進、サブスクリプションの加入などが目的のアカウントがメディア型の運用を行っているケースが多く、見るべき指標もInstagram経由の購買率や流入数、保存数などシンプルなものが多いです。しかし、商材の中にはすぐの購買にはつながらないパターンもあり得ます。
たとえば「積立NISA」と「iDeCo」といった投資サービスなど、Instagramの投稿ひとつで購買の意思決定をすることが難しい大きな買い物では、日ごろから潜在顧客と接点を持ち続けることが必要です。継続的に接点を持つことで、フォロワーがふと購入を検討したときに、最初に思い出してもらうことが狙いです。コンバージョンまで時間がかかるものには、継続的かつ安定した情報提供が求められるため、腰を据えた運用がポイントとなります。
一方、「2.ブランドイメージ向上」では、ただちにそこからコンバージョンにつなげることを目的としていません。企業や会社のブランディングに関わるものであり、毎日コンスタントに発信することで認知度の向上を図るものです。
目的×フェーズで施策の分類を
先ほどふたつの目的を説明しましたが、同じ目的の中でもさらに、押し出したいサービスがどのフェーズにあるかによって、施策は異なります。
たとえば直接コンバージョンにつなげる場合でも、新規顧客のCV率なのか、既存顧客の購買頻度をあげるのかで異なります。またイメージ戦略や認知度の向上を目的とするケースでは、ほぼゼロから認知を形成していくのか、すでにある程度の認知が得られている中でイメージ改善を図るのか、によって施策は変わるでしょう。
もう少し踏み込むと、アカウントによってはコンバージョン率の上昇と、認知度やイメージ改善の両方を目的としている場合も多くあります。その場合は1投稿ごとにコンテンツの内容や方向性を変えるといったテクニックを用いることもあります。自社で運用するアカウントの運用目的がとくに定まっていない場合、一度上記に照らし合わせてみるのも良いかもしれません。