はじめまして。CyberLDHが提供するFanTech(ファンテック)サービスでiOSアプリの開発リードを務めている劉です。第5回では、「CL」が日本発世界に通用するFanTechサービスづくりを目指して行った「多言語対応」について解説します。
エンジニア視点から続けた機能提案 印象深いのは「ライブキャスト配信機能」
私は、スマートフォン市場が盛り上がり始めた頃にシステムエンジニアからiOS・Androidのアプリエンジニアに転身し、BtoCアプリの立ち上げから運用までの開発を経験しました。サイバーエージェントには2012年に中途で入社しさまざまなコミュニティサービスの新規立ち上げに参加。現在は「CL」のiOSチームリーダーとして開発しています。
「CL」には、立ち上げ当初から開発に参加し、オンデマンド配信、ライブ配信、ライブキャスト配信、コラボ配信、応援スタンプ、オンデマンド動画字幕、リアルタイム字幕など、ほぼすべての機能の開発に携わり、それらをゼロから作ってきました。
なかでももっとも印象的だったのは、ライブキャスト配信機能です。アーティストの方が直接使う機能なので、配信に飽きないように常に機能を追加しています。ひとりでの配信から複数人のコラボ配信、バーチャル背景をつけたラジオ配信など、エンジニアの視点で提案し実現することができました。また配信の場所によって回線状況が激しく変動するため、高画質と安定性のバランスを取りながらキャス配信をチューニングするなど、たくさんの施策を実装してきました。
双方向のコミュニケーションを目指して行った「多言語対応」
「CL」が実装している多言語対応では、具体的に次の3つを行っています。
1.サービス内のテキスト表記
サービス内のテキスト表記は7言語に対応しています。日本語、英語、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語、タイ語、インドネシア語の7つです。
2.オンデマンド番組の字幕
オンデマンド番組では動画に字幕をつけることができ、アプリでは端末の設定に合わせた言語が表示されます。
3.ライブキャスト配信のリアルタイム字幕
ライブキャスト配信では、ユーザーは字幕言語選択ボタンから言語を選択することで、配信者の言葉がリアルタイムに字幕変換された状態で視聴することができます。さらに、配信主であるアーティストの方々も、ライブキャスト配信のコメントをタップすることで翻訳されたコメントを見ることができます。
海外のユーザーにとってはどうしても言語の壁がネックとなるため、好きなアーティストの動画コンテンツを視聴してコメントをしても、アーティストの方とのコミュニケーションが成立しづらいです。「CL」の多言語対応には、このような言語の壁を壊して、双方向のコミュニケーションを成立させる役割があります。