Eコマースだけでは測れないAmazonの全体像、拡大するエンタメ投資
Eコマースだけでなくさまざまな分野の事業を展開しており、全体像を知ることが難しくなっているAmazon。
Insider Intelligence/eMarketerによる2021年10~12月期決算の分析によると、Amazonの最大事業はオンラインストアで、当期全体の売上高1,374億ドルのうち、660億ドル(48%)を占めているとのこと。次いで、コミッション、フルフィルメント/出荷などを含むサードパーティセラーサービスが303億3,200万ドルで、全体に占める割合は22%であった。
ここで注目すべきは、AWSクラウド事業が177億8,000万ドルで12%、また広告事業が97億2,000万ドルで7%を占めるに至っているという事実。Eコマース事業の成長率が鈍化する中、AWS事業の成長率が前年比で40%増、広告事業の成長率が前年比で32%増と、ともにAmazonの成長エンジンと呼ばれるようになっているのだ。
事業の多角化に余念のないAmazonであるが、エンターテイメント分野においても投資を拡大している。
2021年、同社の動画・音楽コンテンツ分野における投資は、130億ドル(約1兆8,700億円)と2020年の110億ドルから20億ドル増加した。この投資には、Amazonの動画視聴サービス「Prime Video」における映画/ドラマシリーズのライセンス料や制作費用のほか、サブスクリプションにかかるコストなどが含まれている。
これ以外にも、競合となる動画配信企業の投資・支出額を考慮すると、Amazonによる映画・音楽投資は今後も拡大することが見込まれている。Netflixの2021年のコンテンツ向け支出額は、Amazonを40億ドル上回る170億ドル、Disneyに至っては330億ドルと、Amazonの2.5倍以上にのぼる。