ゲーム市場のシェア獲得を目指す、Netflixのゲーム戦略と最新動向

ゲーム市場のシェア獲得を目指す、Netflixのゲーム戦略と最新動向
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2022/10/28 08:00

 動画配信サービスとして知られるNetflixだが、有料会員数の減少や動画配信市場の競争激化に直面し、成長機会を求め新たな取り組みを本格化させつつある。その取り組みとはゲーム事業だ。Netflixは2021年11月、有料会員向けのゲームダウンロードサービスを開始。人気テレビシリーズ『Stranger Things』をもとにした『Stranger Things:1984』などのモバイルゲームがダウンロードできるようになった。ゲームサービス開始から現在までは様子を見ている段階だったようだが、その裏側ではゲーム市場での存在感を高める準備を着々と進めており、同社の取り組みへの注目度が高まっている。今回は、Netflixが直面する動画配信市場の課題に触れつつ、どのような取り組みでゲーム市場のシェア獲得を目指しているのか、最新動向を探ってみたい。

動画配信市場での成長が難しい理由

 現在、ネットフリックスの有料会員数は約2億2,000万人と、ほかの競合を大きく上回っており、動画配信市場では依然として優位なポジションに位置している。しかし今後の成長を考えると、ゲームなど別の市場での成長機会を模索する必要があるのは明白だ。

 2020〜2021年の世界各地でのロックダウンを背景に、Netflixは有料会員・視聴者数を大きく伸ばした。とくに2020年1〜3月期には新規有料会員数が1,600万人増加。これは前年同期の増加数の2倍となる数字だ。順調にユーザー数が伸びるにともない、同社の株価も大幅に上昇。2020年1月時点で300〜350ドルほどで推移していた株価は2021年10月末には690ドルまで上がった。しかし、ロックダウン解除などの影響を受け、現在はユーザー数が減少に転じ、株価も220ドルほどまで下がっている状況だ。

 また、市場での優位性を構築しているNetflixだが、競合の追い上げも無視できない。

 eMarketerによるアメリカにおけるサブスクリプション型動配信動画(OTT)の視聴時間調査(2021年4月時点)をみると、2019年の視聴時間シェアでNetflixは48.5%と、2位のHulu(24.8%)に2倍近い差を付けトップだった。

 一方、2020年には競合のシェア増加を受け、Netflixの視聴時間シェアは42.9%と5.6ポイント下落。Huluのシェアが25.2%と0.4ポイント増加したことに加え、同年に参入したDisney+が8%を得たことが大きな理由となっている。

 さらに、今後も競合のシェアが高まる見込みで、2023年にはNetflixの視聴時間シェアはトップを維持しつつも、37.6%まで下がると予想されている。この時点の視聴時間シェアは、Huluが25.5%、AmazonのPrime Videoが12.1%、Disney+が9.9%、その他が14.9%だ。

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