動画配信市場での成長が難しい理由
現在、ネットフリックスの有料会員数は約2億2,000万人と、ほかの競合を大きく上回っており、動画配信市場では依然として優位なポジションに位置している。しかし今後の成長を考えると、ゲームなど別の市場での成長機会を模索する必要があるのは明白だ。
2020〜2021年の世界各地でのロックダウンを背景に、Netflixは有料会員・視聴者数を大きく伸ばした。とくに2020年1〜3月期には新規有料会員数が1,600万人増加。これは前年同期の増加数の2倍となる数字だ。順調にユーザー数が伸びるにともない、同社の株価も大幅に上昇。2020年1月時点で300〜350ドルほどで推移していた株価は2021年10月末には690ドルまで上がった。しかし、ロックダウン解除などの影響を受け、現在はユーザー数が減少に転じ、株価も220ドルほどまで下がっている状況だ。
また、市場での優位性を構築しているNetflixだが、競合の追い上げも無視できない。
eMarketerによるアメリカにおけるサブスクリプション型動配信動画(OTT)の視聴時間調査(2021年4月時点)をみると、2019年の視聴時間シェアでNetflixは48.5%と、2位のHulu(24.8%)に2倍近い差を付けトップだった。
一方、2020年には競合のシェア増加を受け、Netflixの視聴時間シェアは42.9%と5.6ポイント下落。Huluのシェアが25.2%と0.4ポイント増加したことに加え、同年に参入したDisney+が8%を得たことが大きな理由となっている。
さらに、今後も競合のシェアが高まる見込みで、2023年にはNetflixの視聴時間シェアはトップを維持しつつも、37.6%まで下がると予想されている。この時点の視聴時間シェアは、Huluが25.5%、AmazonのPrime Videoが12.1%、Disney+が9.9%、その他が14.9%だ。