テレビの視聴時間を上回るゲーム
かつて、コンソールがなければプレイできなかったゲームだが、いまではパソコンやスマホなどがあれば時間や場所の制約なしにどこでもプレイできるようになった。これにともない、ゲームユーザー数は爆発的に伸び、市場も急速に拡大中だ。
とくにこの数年のスマホゲームの成長ぶりはすさまじく、老舗ゲーム企業だけでなく、非ゲーム企業の存在も無視できない状況となっている。
PwCの記事によると、ゲーム市場規模は現在売上ベースで2,357億ドル(約34兆円)だが、2026年には3,211億ドル(約47兆円)に拡大する見込みだ。コンソールやPCゲームも成長が続くとみられているが、その成長は限定的。一方、おもにスマホでプレイされる「ソーシャル/カジュアルゲーム」分野がゲーム市場の成長エンジンになると予想されている。ソーシャル/カジュアルゲームは2017年時点では677億ドルであったが、2026年には2,427億ドルと4倍近く拡大するとみられる。この期間、PCゲームは255億から422億ドル、コンソールは238億ドルから318億ドルに拡大する見込みだ。
また、ゲームは市場そのものが拡大しているだけでなく、テレビや映画にとって代わるメディアとしても台頭しており、消費者向けのビジネスを行うすべての企業にとっても重要性が高まっていると言える。
たとえばDeloitteの調査によると、アメリカでは消費者の80%以上がゲームをプレイしていると回答。スマートフォン利用者のうち、毎日ゲームをプレイしていると回答した割合も50%にのぼることがわかった。ゲーム利用者割合はとくに若い世代で高く、Z世代で96%、ミレニアル世代でも96%であったのに対し、X世代は89%、団塊の世代以上は57%であった。
また同調査では、ソーシャルメディアやメディア企業で視聴時間の奪い合いが激化している中、ゲームが着実に消費者の視聴時間を獲得していることも判明した。アメリカにおける1週間あたりの平均ゲームプレイ時間は、Z世代で11時間、ミレニアル世代で13時間にのぼる。一方、X世代は10時間、団塊の世代以上では6時間という結果であった。
アメリカのZ世代では、お気に入りのエンタメアクティビティとしてゲームがトップにランクイン。イギリスではゲームがテレビ/映画に次ぎ2番め、日本でも1位のインターネット閲覧に次ぐ位置にゲームがつけている。