3Dモデルの生成は、ゲーム・メタバースや3Dプリントへの活用が考えらえるほか、動画制作の面でも、新しいアプローチを生み出してくれるかもしれません。今回は、私が将来的にこのように使っていけるかもしれないと考える3Dにまつわる動画制作フローを紹介していきます。
3Dモデル生成AIツール「Tripo AI」を実際に使ってみる
生成AIブームの勢いが止まらない昨今、3DCGの領域においてもこの流れは例外ではありません。今回紹介するのは、テキストや画像イメージからワンタッチで3Dを生成することができるサービス「Tripo AI」です。すべての類似サービスを追うことは難しいですが、ツールをひとつでも触ってみることで、現時点でのおおよその性能を知ることはできるでしょう。
「Tripo AI」公式ウェブサイト
サイトを開いたら、早速「Generate for Free」をクリックしましょう。無料プランでも10個までは自由に3Dモデルを作ることができます。機能はシンプルで、プロンプトを記述して生成する「Text to 3D」と、画像をアップロードして立体化してくれる「Image to 3D」があります。
ツール画面に遷移すると、Showcaseが表示されます。どのようなプロンプトを書くとどういった品質の3Dを生成できるかがわかるため、事前にさまざまな参考例を見てみると良いでしょう。
実際の「Tripo AI」テスト事例
Text to 3D
ほかの生成AIツールと同様、プロンプトを記載するとそれにもとづいた3Dを生成してくれます。左側のメニューバーにある「Image to 3D」の入力欄にプロンプトを記載しましょう。実際に生成する前に、サンプルイメージを4点表示してくれるため、気に入らなければプロンプトに適宜修正を加えていきます。
Image to 3D
こちらも使いかたは非常にシンプルです。左側のメニューバーにある「Image to 3D」から画像をアップロードし、ボタンを1クリックするだけで生成がスタートします。
今回は「オリジナリティある3Dモデルを作れるか」に重点を置くため、プロンプトではなく「Image to 3D」を中心に試作しました。Midjourneyで生成した独特なテイストの女の子のイラストを立体化してみることにします。結果は次のとおりです。
画質や立体造形の精度は粗いですが、1クリックでそれらしく3Dになってくれる感覚はおもしろいですし、3Dモデリングがまったくできない人にとっては、3Dにまず慣れてみるという意味でも役立ちそうです。
ただし、実際に生成された3Dモデルはゲームなどに最適化されたデータではないため、今のところ用途は限定的とはなりそうです。
このほかに、Mijourneyで生成した画像やオリジナルのイラストを使っていくつかサンプルを作ってみました。独特すぎると上手くいかない場合もあるため、参考までにご覧ください。
実務で使うことを考えると、データとしてまだまだ難はあります。しかし加工を加え簡単な映像に取り入れることは、現時点でもある程度できるかもしれません。次の映像は、データをダウンロードし、簡易的に加工したものです。
2Dのモーションよりもダイナミックなカメラワークが可能になるのが3Dの魅力です。イラストをベースにサクッとプラスアルファの表現ができる点が良いのではないかと感じました。