UIUXデザインに役立つ心理学の法則8選とその活用法[前編]

UIUXデザインに役立つ心理学の法則8選とその活用法[前編]
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 デジタルプロダクション「factory4」でアプリやさまざまなIoTプロジェクトのUIUXデザインを手がける新谷友樹さんが、UIやUXにまつわるトピックについて解説する本連載。今回のテーマは「UXデザインをするうえで役立つ心理学の法則」。前編では、ピックアップした8つのうち4つを紹介します。

 こんにちは!株式会社Cosmowayが組織するデジタルプロダクション「factory4」のUIUXデザイナー新谷です。

 皆さんは、UXデザインをするうえで役立つ心理学の法則があることをご存知ですか?

 デザインは美的な要素だけではなく、ユーザーの心理的なニーズや行動を理解し、魅力的なユーザー体験を創出する点においてとても重要な役割を担っています。ユーザーにとってわかりやすく使いやすいプロダクトを設計するためには、ユーザー心理にもとづいたUI/UXデザインが欠かせません。

 ウェブやアプリを扱うすべてのユーザーは人間であり、そのため心理学的な法則の影響を受けます。そこで優れたUXデザインとは何かを考える際に、心理学などの法則やルールが重要な指針となるのです。これらの法則は、長年心理学者や哲学者が人間の本質を探求し、研究してきた成果のため、今でももちろん効果を発揮します。それらの知見をUXデザインに取り入れることは、シームレスで快適なユーザー体験を提供するために理にかなった選択ですし、より優れたユーザーエクスペリエンスを提供することが可能です。

 今回は前編と後編にわけ、私が普段から意識しており、とくに押さえておくべき8つの法則や効果をピックアップ。UXデザインにおける活かしかたとともに解説します。

UI/UXデザインに心理学的法則を活用する3つのメリット

1.人の思考パターンを理解し活用できる

 優れたユーザー体験を提供するには、人の思考パターンを理解し、欲求5段階説(生理的欲求・安全の欲求・社会的欲求・承認欲求・自己実現の欲求)に従ってデザインを進めることが重要です。

 ユーザーは間違いなく人間です。さまざまな価値観や感情、バックグラウンドを持っており、時には想像できないような価値観や行動パターンを持つこともあります。そのため、すべてを想定するのは難しいかもしれませんが、ユーザーの思考や行動パターンを理解することで、その精度を高めることはできます。そしてそれらを理解するためには、心理学の考えかたを学んだうえで、無意識に感じることや、行動の法則などを知ることが重要です。

 心理学は人の心を科学的に理解する手段。だからこそそこからは、ニーズを満たすためのデザインが見えてくるのです。

2.UIUX改善につなげる方法を発見できる

 商品を購入したユーザーが満足し、ほかの人にもオススメしたくなるようなウェブサイトを設計する場合、最適なUI/UXデザインは、ユーザーの属性や志向によって異なります。

 たとえば年配の方には、大きなアイコンやテキスト、直感的で簡単な操作性が重要です。年代が若く、情報に敏感なスマホコアユーザーには、最新のトレンド情報の掲載やインフルエンサーを活用することが有効であったり、ショッピングサイトにおいては価格やサイズの比較、信憑性の高いレビューを閲覧できる設計などが必要でしょう。

 そこに心理学の考えかたを取り入れることで、ターゲットユーザーの思考や行動パターンを理解し、もっとも効果的なUXを提供するためのUIデザインを見つけやすくなります。また、デザインを精査し決定する場合でも、心理学の法則を活用することで設計しやすくなります。

3.ユーザーの使いやすいUIが理解できる

 ユーザーの心情や行動パターンを理解せず、偏った視点でUIデザインを設計した場合、ユーザーにとって使いづらいサービスやプロダクトになる可能性が高いです。その結果、ユーザーは不満を感じたり、離脱したりすることもあるでしょう。

 重要なのは、心理学の法則を通じ、ユーザーの価値観やニーズを理解しながら設計していくこと。人の心や思考、行動パターンを理解すると、UIにおける操作性や機能、体験設計の良しあしが理解しやすくなります。ただし、サービスの内容や掲載するコンテンツによって、心理的法則の使いわけは必要です。

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