ピザハットのアカウント運用でこだわった3つの軸
ここからは、Leading CommunicationがTikTok運用を支援して大きくグロースしたピザハットの事例から、企業TikTokの成功のカギを探った。
2022年にTikTokアカウントの運用をスタートしたピザハットだが、フォロワー数が伸び悩んでいた。また、どのようなコンテンツを出せば良いのかわからずネタが見つからないといった課題も同時に抱えていた。
そこで、井上氏らが2023年1月に支援に入った際、まずは既出の動画から現状のファクトを分析。それにより、人気の投稿や伸びづらい投稿の傾向を明らかにしていったという。
エンゲージメントが高かったのは、ユーザーからのリクエストに答えるなど「コミュニケーションがとれている」コンテンツ。またピザのアレンジレシピなど、ユーザーの行動を喚起させるようなコンテンツも好評だった。さらに、普段見ることのできないピザづくりの工程を見せる動画も視聴完了率が高い。
もちろん、ピザハットのアカウントである以上、「ピザ」を軸にしたコンテンツでなければ意味がない。トレンドに乗るために社員が流行りのダンスを踊る動画も投稿してみたが伸び悩んでいた。
これらをふまえ、Leading Communicationが参画しアカウントを再スタートするときには、「ピザを主軸に」「トレンドとオリジナリティを掛け合わせること」「出演する社員のキャラクター設定」の3つの軸にこだわることを徹底することにした。
井上氏いわく、「出演している人が嫌々やっているのはユーザーにも伝わってしまうため動画も再生されづらい」。ピザハットの社員たちは雰囲気が良く、楽しみながら撮影に取り組んでいたことも、軸を決める際の大きなポイントだった。
井上氏は実際にピザハットで行ったいくつかの施策を紹介した。
企業同士やクリエイターとのコラボも企画したが、とくに企業同士のコラボは社内の承認に時間がかかることがネックとなった。そこで、あくまでTikTokの動画コンテンツのなかで「商品提供の協力をお願いする」という形で他社へ提案。さまざまな企業とのコラボ動画を実現させた。
なかでもオムライスがとくに有名な老舗洋食屋「たいめいけん」とのコラボ動画は、1本で70万回再生を突破。6,000人ほどの新規フォロワー獲得に貢献したという。
@pizza_hut_japan @ワンコロに返信 茂出木シェフとオムライスピザ作りました🍳🍕 #ピザハット #たいめいけん #オムライス #ピザ #茂出木シェフ ♬ オリジナル楽曲 - 【公式】ピザハット