タイムリーな情報発信を目指し、2DアニメーションからVTuberに
もともと「ぺんとす」は、クレディセゾンのオウンドメディア「hintos」のなかで2016年に誕生したキャラクターであった。ぺんとすという名前もhintosから着想を得たものであるがオウンドメディアは終了。その後、オウンドメディア以外の場面でも、ぺんとすを活用することができないかとの議論がなされたという。
ブランディング戦略部にて、XやInstagram、YouTubeといった各種SNS公式アカウントの企画・運用業務を担うほか、グループ会社のSNS戦略の立案・運用管理なども担当する星野果南さんは、その経緯について次のように話す。
「当時、クレディセゾンとして動画コンテンツを強化していきたいと考えていたため『ぺんとす』をアバター化し、活用していくことを決めました。当初はYouTubeの2Dアニメーションに挑戦したのですが、想像していた以上に工数がかかってしまい、タイムリーに情報をお届けするのは困難だということがわかりました。一方、VTuberであれば初期費用は少しかかるものの、長期的にはコストを抑えつつ即時性を持った展開ができると考え、VTuberへと切り替えていくことになりました」
実際、2Dアニメーションを制作していた際はほとんどを外注していたため細かい修正のやりとりが発生した際の対応など、手間や時間がかかることが多かったと言う。しかしVTuberへと変更したことにより内製で完結できる部分が増加した。
制作時に「大がかりなPCなどは使用していない」と語るのは、デザイナーとしてクレディセゾンに入社し、各SNSの企画管理運用や動画編集、バナー類の制作などを担っている小橋奈央子さんだ。
「ぺんとすの3Dモデルの部分、いわばビジュアルは外部で制作してもらい、そのモデルをデザイナーチームのパソコンで動かすことが可能です。基本はグリーンバックにぺんとすを表示させ、画面キャプチャをするような形で収録しており、表情はPCのカメラでモーションキャプチャをしています。たとえばお辞儀などのアクションも、ボタンの操作ひとつでできるんです。
また私たちが基本的に使っているのは、VTube Studioというアプリとパソコン1台、そして収録用に購入したマイク。ほかのアプリも活用していますが、大きな初期投資を行わずに運用することができています」
2Dアニメーションから3DのVTuberへと切り替えたことでスピード感のある制作が行えるようになったため、キャンペーン情報や新登場のカードの紹介、YouTube登録者数1万人到達の報告など、タイムリーな情報発信が可能になった。これはユーザーとのコミュニケーションをとるうえで、大きなメリットだと言えるだろう。