[新連載]0→1でデザイン組織を立ち上げるためにまず取り組むべきふたつのこと

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 一度ゼロの状態となったデザイン組織を再度チーム化したスマートキャンプが、新たに「デザイン組織」として走り出すまでのプロセスとポイントを解説します。初回は「組織0→1フェーズと採用」についてです。

はじめに

 はじめまして。スマートキャンプ株式会社のデザイン戦略部で部長を務めている山本です。会社およびプロダクト双方のコミュニケーションデザインと、経営戦略と密接に関連したブランド戦略の検討や推進、デザイン組織のマネジメントなどを担当しています。

 約3年前、会社のフェーズが変わったことで部長ふくめ当時デザイン戦略部に所属していたメンバーがほぼ全員退職し、実質組織の箱だけが残るゼロの状態に。そこから再度デザイン組織を立ち上げ、現在は、マネジメント2名、メンバー4名(+産休中メンバー2名)の合計8名の組織になりました。

 本連載では、再度チームをつくり、「組織」として走り出すまでのプロセスとポイントを、全3回にわたって紹介できればと思います。

想定テーマ

  • 第1回:組織0→1フェーズと採用
  • 第2回:デザイン組織内のコミュニケーション
  • 第3回:評価制度やフローの整備

 この連載が、デザイナーの垣根をこえて、これからデザイン組織をスタートさせようとしているすべての方の一助となれば幸いです。

最初にすべきことは「つくりたい組織像の明確化と言語化」

 前述のとおり、スマートキャンプのデザイン組織は一度ゼロの状態となっていましたが、創業期の0→1フェーズでは、メンバーと経営層との距離も近いなど和気あいあいとしたカルチャーのもと、個人のスキルで自分たちの道を切り拓いていました。

 創業期では100名以下でしたが、それから200名を超える成長期に移行。そこで必要になったのが、「仕組み化」「型化」「組織化」です。組織構造が複雑化し、メンバーと経営層の距離も離れてしまったタイミングで、創業期のカルチャーや働きかたに強く共感していた部長・メンバーがほぼ全員退職。組織の箱だけが残った状態になっていました。

 創業期は、さまざまな業務を属人化させることで大きなメリットを享受していました。個のスキルと突破力が、会社と組織を猛スピードで成長させる原動力となっていたからです。しかし会社のフェーズが変わったことにより、個人に依存した組織状態がむしろ非効率を生んでしまう場面も多くみられるようになりました。

 創業期にドライブしていた組織の良い部分を残しながら、成長期から拡大期まで安定稼働できるチームとして再度デザイン組織を立ち上げるためにまず行ったことは、「どういうデザイン組織をつくるか」を改めて明確化・言語化することでした。

 そうやって明確化・言語化された組織像は、必要となる人材のスキルやマインドも明確にします。それが、採用時の質問や採用後の目線合わせ、チームや他職種のメンバーとのコミュニケーションといったあらゆる場面で基準となり、組織の軸となるのです。

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