スマートキャンプ株式会社デザイン戦略部の能村です!私はデザイナーとしての業務に加え、全社のデザインに関わる幅広い業務を担当しています。その一環として、全社で使用するデザインツールの選定・活用・管理も行っています。
スマートキャンプではデザイナー・エンジニアに限らず、ビジネス職のメンバーもFigmaを使用しており、全社的にFigmaが浸透しています。
現在、スマートキャンプは約200名の組織に成長しました。100人から200人の組織になると、0〜100人規模とは異なる新たな課題や変化が生じます。今回はどのような部分が違うのか、そしてどのように活用していったのかについて紹介します。
通話機能でフィードバックを効率化
前回は、Figmaのコメント機能を使ってデザインチェックやフィードバックを行う方法について紹介しました。
メンバーが増えると、コメントではなく、通話でフィードバックを行う場面も出てきましたが、メンバーごとに使用する通話ツールが異なるため、フィードバックの効率が低下してしまいました。
それを解決するために、Figmaの通話機能を活用。別の通話ツールを立ち上げる必要をなくすことで、すべての作業をFigma内で完結できるようになりました。とくに大人数で同時に作業する際には、通話しながらリアルタイムで状況を共有できるため、意思決定や作業のスピードが格段に上がりました。問題が発生してもすぐに話し合い、迅速に解決策を見つけることができる点も大きな助けとなります。
さらに、デザイナー、エンジニア、ビジネス職など異なる部門間の連携が強化され、シナジー効果も期待できるでしょう。同じプラットフォーム上でチーム全体が作業することで、一層スムーズに協力しあうことができるようになりました。
権限管理とワークフローの設定
アクセス権限の管理は、組織の規模が大きくなるにつれて重要度が増します。小規模な組織では、単純な権限設定で十分でしたが、100人以上の組織では、適切な設定と、部外者や新入社員のアクセス権限を厳密に管理することが欠かせません。
Figmaでは、誰もがファイルやチームに人を招待でき、「新たな編集権限」を付与することが可能です。編集権限を付与すると1カウント(2,250円/月額)増えますが、「課金されますが、よろしいですか?」といったアラートや通知がないため、知らないうちに課金対象になることがあります。利用人数が少ないうちは、全体への注意喚起や勉強会などで対応していましたが、簡単かつ意識せずに権限を増やせてしまうため、必要のない編集権限が増加していました。
そのため、会社のメールアドレスを持つユーザーには、その都度会社のチャットツールで権限が必要かどうかを問い合わせしていました。しかし業務委託パートナーの場合、アクセスしているファイルを確認し、関係ありそうな人に問い合わせをするなど非効率な状態が続いていたため、権限管理を仕組み化することにしました。
アクセスできるファイルの権限を整理
いままでは、各事業やプロジェクトによってまちまちだったファイルのアクセス権限を、職種と契約ロールに分けて設定をしました。下記の図のように権限を整理しました。
各事業のアカウント管理者を設定
いままではデザイナーだけが管理していましたが、各事業にFigmaの権限を管理するメンバーを設定。デザイナーがいない事業部もあるため、その場合に誰に聞けば良いのかを明確にしました。
アカウント申請のワークフローを整備
編集用アカウントや秘匿性の高いファイルにアクセスが必要な場合は、すでに権限を持っている人に依頼するのではなく、別途フォームで依頼してもらうように整えました。スマートキャンプではビジネスコミュニケーションツールとしてSlackを使用しているため、Slackのワークフロー機能を使い、申請用フォームを作りました。
ルールを整えたら
ルールを設定したあとは、浸透のために根気よく告知と呼びかけをしました。全社で使用するコミュニケーションツールのチャンネルや社内Wikiでテキストベースの告知を行ったり、全社朝会やFigmaの使用頻度が高い事業部の全体会議で告知の時間をもらい、その案内を行ったりしました。
一度だけでは浸透しないことは理解していたため、継続的に告知をした結果、現在では申請のない編集権限が発生しなくなりました。しかし、引き続き社員の入れ替わりはあるため、Figma使用の権限やワークフローの告知を続けていきます。