[社員数100人までの企業向け]スマートキャンプに学ぶ、全社で効果的にFigmaを活用する方法とは

[社員数100人までの企業向け]スマートキャンプに学ぶ、全社で効果的にFigmaを活用する方法とは
  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket

 デザイナーのみならず全社で活用するケースも増えているFigma。本連載では、企業の成長に応じたFigmaの活用法をスマートキャンプ デザイン戦略部の能村さんが解説します。今回紹介するのは、「社員数0人から100人まで」の間に同社が行った実際の取り組みです。

 はじめまして。スマートキャンプ株式会社 デザイン戦略部の能村です!デザイナーとしての業務に加え、全社のデザインに関わる業務なども担当しており、その一環として、全社で使用するデザインツールの選定・活用・管理も行っています。

 私たちスマートキャンプは、SaaSプロダクトやウェブサービス、展示会事業、広告代理店業など多岐にわたる事業を展開しています。各事業やアウトプットの特性に合わせてデザインツールを柔軟に使いわけていますが、すべての事業で必ず使用しているのはFigmaです。

 Figmaと言えば、デザイナーやエンジニアが使用するツールと思われている方も多いかもしれません。しかしスマートキャンプでは、ビジネス職のメンバーもFigmaを使用しており、会社全体に浸透しています。

 スマートキャンプがFigmaを導入したのは、社員数が50名以下だった5年前のこと。現在は200名を超える規模に成長しましたが、ほぼすべての事業で積極的にFigmaを活用しています。

 スマートキャンプがFigmaを導入した理由は、「新しいものを試してみたい」「常に有用なツールを模索していきたい」という考えからでした。Figmaはクラウドベースで動作し、リアルタイムで複数のユーザーが同時に編集できたり、多様なプラグインが存在していたりする点が特徴です。これらの機能を使って仕事を効率化するために2019年1月よりFigmaを導入し、利用可能な業務を段階的にFigmaへ集約していきました。

 Figmaの導入とさまざまな機能を駆使していった結果、デザインプロセスが一元化され、組織全体で一貫性のあるデザインができるようになりました。現在でも、Figmaは業務の中核を担うツールとして活用し続けています。

 0〜100名規模のときにFigmaを導入し、どのように活用していたのか。ここからは私たちの事例をもとに紹介します。

活用前に行ったのは「Figma勉強会でルールを浸透させる」こと

 Figmaをデザイナー以外のビジネス職やエンジニアメンバーと効率的に共有・使用するために行ったのは、使用する際のルールを周知するための勉強会です。さらに、この勉強会に「Figma検定」という独自の仕組みをつくり、ゲーム感覚で学べるようにしました。業務におもしろみやスキルアップの意味を持たせ、「やってみよう」「楽しそう」という前向きな気持ちで新しいツールを覚えてもらおうと考えたためです。

 この仕組みの目的は、エンジニアとデザイナーとの習熟度を統一することでした。エンジニアにデザインの実装を依頼した際、担当者によってデザインデータの解釈と精度が異なることがありました。勉強会と検定を同時に行うことで、習熟度を合わせることはもちろん、Figma未経験者が誤ってデザインデータを削除したり、不要な変更を加えてデザインが破綻したりするのを防ぐことも狙いのひとつです。

 エンジニア向けに検定を作成した後、おもにフィードバックや資料作成を行うビジネス職向けの検定も作成しました。これらの検定は、各職種の役割に応じた内容となっています。

 勉強会のプログラムや検定作成には時間と手間がかかりますが、一度仕組みを構築すれば非常に有効に機能します。スマートキャンプには全社のチーム貢献・組織貢献を評価する制度が設けられているため、このFigma検定のプロジェクトを推進し浸透させることができました。また、Figmaに新しい機能が追加された際やUIに変更がある場合には検定内容をメンテナンスする必要がありますが、それも自身のスキルの振り返りとなり、非常に良い学びの機会となります。

 勉強会の導入を検討している方には、ぜひオススメしたい方法です。

※この続きは、会員の方のみお読みいただけます(登録無料)。