電通は、スマートフォンアプリを中心として分析から開発まで一貫したデジタル戦略を推進するフラーと業務提携し、「アプリ戦略パートナープロジェクト」を立ち上げた。同プロジェクトでは顧客企業のDX化支援を行い、特に、アプリを起点に事業のデジタル領域を支援していく。
コロナ禍をきっかけに多くの企業がDX領域での業務効率化に取り組むようになり、その波は今までデジタル領域を活動範囲としていなかった企業にも及んでいる。しかし、デジタル領域の人材や経験が盤石でない企業にとっては、開発の要件定義や開発ベンダーへの発注作業自体が難しく、大きな不安や負担が発生してしまう。
この課題解決策のひとつには、プログラミング言語やITスキルが不要のアプリ開発パッケージがあるが、アウトプットが類似してブランドの独自性が薄まってしまうなどの課題も少なくない。また、特にブランドの差別化が必須の業界においては、顧客のアプリ体験を自社ブランドの世界観と連携させることが重要で、パッケージ化されたテンプレートが不向きな場合もある。
これら複合的な課題の解決には、事業戦略(Business)、開発(Technology)、顧客体験(Creativity)の3つのスキルを兼ね備え、目的やゴールの共有を密に行いながらサービス開発に取り組めるパートナー体制が必要となる。同プロジェクトでは、事業価値を創造して顧客へ届ける電通と、事業価値からアプリ体験へのシームレスな開発を得意とするフラー社が連携し、市場分析・戦略構築・開発・マーケティング・運用までをワンストップで提案。これにより、課題設定をアプリ開発のみに限定することなく、顧客企業のビジネス全体に目を配った理想的なアプリの開発が可能となる。
同プロジェクトにおける基本プロセスと両社の役割
同プロジェクトのプロセスは大きく5つにわけられる。5つのステップのあと、再び「①分析」に戻り、サービスのブラッシュアップを行う。
①分析
アプリ分析サービスApp Apeを用いた、市場分析やユーザーの把握
②事業戦略の理解
徹底した傾聴による事業ビジョン・戦略の理解
③中長期戦略の策定
1~3年先を見据えたロードマップの策定およびサービスデザイン
④-1 アプリ開発
フラー社のディレクター/デザイナー/エンジニアで構成されるチームによるサービスの初期開発、アップデート開発。
④-2 事業支援
商品開発や店舗開発、インナー改革などの多角的な事業支援
⑤マーケティング/コミュニケーション
サービスをユーザーのもとへと届けるコミュニケーションデザインと、メディアプランニング
→再び「①分析」へ戻り、サービスへの反響を把握しながら、中長期戦略に沿った軌道修正を行う。