マクロミル、クリエイティブ制作ソリューションβ版開始 消費者の消費価値明らかにし広告効果を最大化

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2021/10/18 07:00

 マクロミルは、同社が開始したデジタル広告事業『Macromill Ads(マクロミル アズ)』において、新たに広告クリエイティブの制作を行うソリューション「Macromill Ads Creative」(β版)を開発し、その提供を開始した。同ソリューションの提供により、プランニング、クリエイティブ制作、広告配信、効果測定に至るまで、顧客企業のマーケティングにおける広告・宣伝領域のPDCAの全行程をワンストップで支援することが可能になる。

Macromill Adsの提供ソリューション
Macromill Adsの提供ソリューション

 消費行動の多様化・デジタルシフトが急加速するなかで、商品の購入前にキュレーション化されたメディアやSNSを通じて情報収集を行うことが一般化し、消費者は従来と比べて、自身に最適化された情報のみを受け取る傾向が強まっている。また、各広告配信プラットフォームが提供する運用型広告では、数多くの広告クリエイティブを試しながらよりパフォーマンスの高い広告配信を行うことができるが、一方で大量の広告クリエイティブが必要となるため、広告効果を維持するには、クリエイティブ制作や広告運用のスキルが求められる。

 こうした背景から同社は、消費者が製品やサービスに対して感じる価値(消費価値)に着目し、消費行動の先行研究と蓄積した消費者分析のナレッジにより、個々人の価値観を推定する独自の消費価値フレームワーク「Consumer Motivation Index(以下、CMI)」を開発。このCMIの分析結果から、ターゲットの消費価値を刺激し興味を惹くコミュニケーション要素を導き出すことで、広告クリエイティブの制作をサポートする「Macromill Ads Creative」を提供する。Macromill Ads Creativeでは、表現コンセプトや表現戦術といった、広告クリエイティブにおいて最も重要とされる「何を伝えるべきか」という訴求軸の改善を図ることができる。

「Consumer Motivation Index」概要

 同社が独自に開発したCMIは、普遍的な消費価値観を類型化し、11種類の消費価値から、ターゲットとなる消費者がどの価値を重視しているか判定することが可能。

 同フレームワークによって、製品やサービスに対して個々に感じる価値の評価特性を導き出し、ターゲットが重視する価値観に基づき広告クリエイティブの制作を行う。広告クリエイティブにおける情報の伝達効率を高め、広告効果の最大化を図ることができ、さらに経験則ではなくフレームワークの結果に基づいた科学的アプローチにより、マーケティング戦略の再現性を高めることもできる。

消費価値別による広告訴求イメージ
消費価値別による広告訴求イメージ

実証実験結果

 CMIから導き出した消費価値に応じて制作した広告クリエイティブの有効性を確認すべく、(A)効率的価値訴求と、(B)経済的価値訴求のバナー広告接触者の消費価値スコアを判定し、消費価値のスコアとクリック率の相関を検証。(A)の広告クリエイティブでは、効率的価値を重視する消費者は、重視しない人と比較しクリック率が3.28倍に向上、(B)の広告クリエイティブでは、経済的価値を重視する消費者は、重視しない人に比較しクリック率が 6.67倍に向上し、本ソリューションの有用性を確認することができた。

消費価値とクリック率の相関
(A)効率的価値を訴求したバナー
(A)効率的価値を訴求したバナー
(B)経済的価値を訴求したバナー
(B)経済的価値を訴求したバナー