コクヨは、次世代を担うデザイナーを発掘と、商品化を通じた活躍支援を行う「コクヨデザインアワード2022」(作品応募期間:2021年8月20日~10月15日)を開催。国内外58ヵ国から応募された合計1,031点(国内555点、海外476点)を審査し、受賞作品計4作品を決定した。
同アワードは、ユーザー視点のものづくりの推進を目的に2002年にスタート。以後、ほぼ毎年開催し、今回の開催で19回目となる。コクヨデザインアワード2022のテーマは『UNLEARNING』。これまで疑うことのなかった知識や感覚、積み上げた経験を一度リセットし、未来を思い描くなかで求められるプロダクトのデザインを募集した。最終審査では、昨年11月の一次審査およびパテント調査を経て選出された10作品のプレゼンテーションと模型審査が行われ、その後、審査員による最終審議によって受賞作品を決定した。
また、今回授与されたトロフィーと表彰状も、テーマ『UNLEARNING』に即してその在り方を新たにデザイン。リモート時代でも喜びを分かち合えるバーチャルなトロフィーと、トロフィーにアクセスする「カードキー」としての表彰状となっている。
トロフィーは、月初から毎日形が変化して、月末には応募総数1,031個の要素を持ったトロフィーが完成。年間では12ヵ月分12種類のトロフィーを楽しむことができる。すべての変化を見せた1年後には、NFTを付与した3Dデータが受賞者に贈られる予定だという。表彰状は、ルーツである青銅器に立ち返り、紙ではなく銅板で仕上げた。表面には富山高岡銅器の着色技術を用い、1枚1枚風合いの異なる表彰状となっている。
各受賞作品の詳細は、次のとおり。
※作品名、一般名称、作品概要、受賞者・グループ名は、応募用紙記載の原文まま。
グランプリ(1作品)
作品名:Flow of Thoughts
- 一般名称:ノート
-
作者:Emilie & Joseph(Emilie-Marie Gioanni、Joseph Chataigner)
作品概要
「Flow of Thoughts」は思考を整理するための日記であり、マキシマリストな世界のためのミニマリストな手帳です。日々、必要ない言葉は落書きとして吐き出し、重要なものを書き留めます。
頭の中でざわめく声を鎮め、意味のある記憶を形づくりながら心の負担を減らすこと。考えを厳選することで思考のミニマリストになることが大切です。
「Flow of Thoughts」は自分磨きのツールです。
思考を大切にし、文を綴りましょう。
優秀賞(3作品)
作品名:トキヲクム
- 一般名称:お香・タイマー
- 作者:mrk(武市 美穂、上田 和実、小林 諒)
作品概要
色々な形と香りのお香ブロックを組み合わせ、これから過ごす1時間をデザインするお香時計です。慌ただしく過ぎゆく日常の中で自分のリズムを取り戻してほしいという思いから生まれました。移ろいゆく香りは、嗅覚を通して時間経過を優しく感じさせ、同時に気分をも変えていきます。絵や文章をかく時間、読書の時間、マインドフルネスやヨガ、アウトドアでのひと時など、自分らしい時間を過ごす時に使って欲しいと思います。
作品名:描画で広がる質感の世界
- 一般名称:画材セット
- 作者:21B STUDIO(時岡 翔太郎、コエダ 小林、有村 大治郎)
作品概要
さまざまな質感を描くことができる画材セットの提案。性質が異なる同色の画材で描画することで、素材感やマチエールといった、普段は意識していなかった「質感の世界」を広げてくれるプロダクトです。
色使いが得意な画家がいるように、質感を使うことが得意な画家が出てくるかもしれない。色に違いがあるように、質感の違いを遊ぶ子供がいるかもしれない。モノを色で選ぶように、質感により注目して選ぶようになるかもしれない。
多色な画材で絵を描くことが当たり前ですが、このプロダクトをきっかけに、多質な画材で絵を描くことも当たり前になる未来が訪れたら幸いです。
作品名:果実の楽器
- 一般名称:楽器
- 作者:21B STUDIO(時岡 翔太郎、コエダ 小林、有村 大治郎)
作品概要
種や房といった、果実の構造を模したシェイカー。振ったり転がしたりすることで、果実ごとに個性ある音を奏でます。
形から音を、音から中身を想像する体験によって、「目で聴く」「耳で視る」といった知覚の相互作用を促し、五感の学びほぐしを行うプロダクトです。
楽器で五感を楽しむ体験が、想像することの豊かさに繋がるよう期待します。