MESON、XR開発システム「GAUGUIN」発表 同社運営のスタジオ事業にて提供開始

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2022/04/27 20:00

 MESONは、優れたUXを高速で提供できる独自のXR開発システム「GAUGUIN(ゴーギャン)」を発表した。同システムはMESONが運営するスタジオ事業「XR CREATIVE STUDIO」にて提供が開始される。

 GAUGUINは、AR/VRアプリケーション開発で頻出する実装機能をコンポーネント化した、Unity上で動作するXR開発システム。マルチデバイス・プラットフォーム対応による拡張性、管理画面機能による運用性を兼ね備えている。XRプロジェクトの企画から開発、デザイン、グロースまでを一気通貫に実施するXR CREATIVE STUDIOでは、同システムを活用し、パートナー企業と共にXR事業開発へ取り組んでいく。

 GAUGUINのネーミングはフランスのポスト印象派の画家ポール・ゴーギャンに由来。同氏は、当時の人工的・因習的なものからの脱却を図り、「自然」をテーマにした独自のスタイルを確立した画家といわれている。この「自然回帰の思想」が、同社が掲げるミッション「平面的なデバイスや、スクリーンによる心理的・物理的な分断を、Spatial Computing(空間コンピューティング技術)によって解消する」に通じるものがあることから、GAUGUIN(ゴーギャン)と名付けられた。

GAUGUIN3つの特徴

  1. コンポーネント機能による優れたUXの高速開発
  2. マルチデバイス・プラットフォーム対応による拡張性
  3. ユースケース別のテンプレートと管理画面(CMS)活用による運用性

 これら3つの特徴を支える具体的な機能は次のとおり。

AR/VRアプリケーション向け機能のコンポーネントコレクション

  • マルチプレイ&アバターコミュニケーション 、マーカー/VPSによる空間認識、UIKit 、ウォークスルー、動画配信、ボリュメトリックビデオ再生、全天球動画配信、体験中の写真/動画撮影と持ち帰り、クラウドレンダリング 、アナリティクスなど、汎用的に使う機能を幅広くカバー

マルチデバイス・プラットフォーム対応機能

  • さまざまなAR/VRデバイスプラットフォームの共通部分を抽象化し、各デバイス向けのアプリケーションをワンソースでビルド・公開可能

管理画面(CMS)機能

  • AR/VRコンテンツをノーコードで編集・差し替え・再利用
  • 観光/街歩き、ショッピング、展示会、コミュニケーション、NFT/アートなど、ユースケースごとのテンプレートを利用可能

 GAUGUINを利用することで、従来のXRプロジェクトで特に課題となっていた拡張性の低さの問題を解決することができる。たとえば、これまではプラットフォーム移植に数ヵ月の追加開発が必要となっていたため、限られたデバイスのみのサービス展開になってしまっていた。本来は多くのデバイスに対応し、より多くのユーザーにサービス体験を届けたいにも関わらず、それが実現できない状況だった。

 同システムを利用することで、約1ヵ月かかっていたプラットフォーム移植作業が5秒程度で済み、デバイスごとにレスポンシブ対応したアプリケーション公開に即座に対応。ワンソースでロジックレベルでの移植を実現することで、圧倒的な開発スピードを実現した。

 同社は、GAUGUINを同社の主力事業であるXR Creative Studioで実際に運用をしてきた。今後はこれまでの運用経験をもとに、本格的に同システムを基盤とし、圧倒的な開発スピードとUXデザインに集中できる環境を実現し、大手企業とさまざまなXRサービスや体験をリリースしていくとのこと。さらに、第2の主力事業として、同システムを基盤として汎用的なXR機能ブロックを搭載し、マルチプラットフォームでのアプリ書き出しが可能なXRノーコードサービスの展開を予定しているという。