エムスリーとソニー、テクノロジー×医療のソリューション事業会社設立 在宅リハビリ支援サービスを開始

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2022/04/28 12:00

 エムスリーとソニーグループ(以下、ソニー)は、テクノロジーと医療の知見を融合したソリューション事業を行う会社「サプリム」を新たに設立した。新会社では、デジタル技術を活用して病気の治療を行うデジタル治療(DTx:デジタルセラピューティクス)を視野に、在宅でのリハビリ支援を行う身体機能改善事業や高齢期の虚弱(フレイル)予防事業、IoTを用いた医療センシング事業などを展開する。

 エムスリーは、日本の医師の9割、世界の医師の5割が登録するプラットフォームを活用し、多様なサービスを提供している。また、ソニーは、「人」を軸とした多様な事業を展開している。

 新会社では、エムスリーが有する医療分野の知見やネットワークに、ソニーの最新テクノロジーとエンタテインメントのノウハウを融合し、患者が楽しみながら治療やリハビリを続けられるようなソリューションを提供していくとのこと。

 サプリムの社名は、社会(Social)課題の解決(Solution)技術を医療(Medical)分野に応用(apply)するという構想を、S+apply+MからSapplyMと命名された。

 昨今医療分野においては、病気ではないことにとどまらず、病を抱えたうえでも幸福であること「well-being(ウェルビーイング)」が求められており、病院を中心とした医療から、地域連携・在宅を中心とした医療への重要性が高まっている。一方で、デジタル技術の進化により、医療従事者の負担を軽減しながら、より患者に寄り添った手軽かつ質の高い医療の提供が可能となっており、米国などでは、スマートフォンのアプリやスマートデバイスといったIoT機器を活用しながら治療を進めるデジタル治療という取り組みの普及が近年進んでいる。日本での普及も期待されており、サプリムでは人々が病の予防や治療、さらには病とともに生きる生活において、楽しく、心が豊かになれるよう、デジタル技術を軸としたソリューションを提供していく。その第1弾として、ひとりでできる在宅リハビリサービス「リハカツ」の提供を開始する。

 サプリムは、脳卒中患者をはじめとしたリハビリ運動を支援する在宅リハビリ支援サービス「リハカツ」の開始にあたり、先行無料アプリを提供開始した。

 要介護認定者数は年々増加傾向にあり、そのうち脳卒中の後遺症者をはじめとした継続的なリハビリが必要な方は290万人とも推定される。退院後のリハビリを継続するためには、理学療法士や作業療法士による専門的な指導を受ける必要があるが、場所や時間、経済的な制約により、リハビリ施設の通所が困難であり、リハビリの継続を諦めてしまう人も少なくない。

 同サービスは、ソニーが長年開発を続けている「姿勢推定技術」と正しく運動ができているかを判定する動作解析技術を用い、「脳梗塞リハビリセンター」を展開する脳梗塞リハビリのエキスパートであるワイズの全面協力のもと、身体の動きの評価や評価結果に合わせたトレーニングの提案を行う。また、トレーニングが正しく実施できているかをAIが判定するため、いつでも、どこでも、何度でも、好きなだけ、自分のペースで身体に合ったトレーニングを正しく実施することが可能。理学療法士によるリモートレッスンも定期開催し、質問の機会も設け、ひとりでは続けづらい運動を支援する。

 また、同サービスは高齢者介護施設などでの利用も想定しており、近日中に実証実験を行う予定となっている。