オーディオストック、新たな音楽出版管理制度を開始 テレビやラジオでの音楽利用による印税分配を強化

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2022/11/07 09:00

 ロイヤリティフリーのストックミュージックサービス「Audiostock」を運営し、音楽コンテンツ流通のDXを推進するオーディオストックは、新たな音楽出版管理制度「Audiostock Music Publishing」を開始した。同制度に参加するクリエイター「Audiostock提携作曲家(Audiostock Partner Composer)」の作品を、同社が音楽出版社として管理し、原盤制作や作品のプロモーション業務を行うことで、さらなる収益化をサポートする。

 同社は2019年10月より、ストックミュージックサービスでの活動をAudiostockに限定して行う一部のクリエイターを対象に「専属クリエイター制度」を通して音楽クリエイターの収益化サポートを行ってきた。

 今回、「専属クリエイター制度」に代わって新たに開始する「Audiostock Music Publishing」では、通常のAudiostockでの音楽ライセンス販売では発生しない放送利用による印税を、同制度の利用によって受け取れる仕組みを構築することで、クリエイターへ収益を還元していく。

音楽出版管理制度「Audiostock Music Publishing」について

 「Audiostock Music Publishing」では、Audiostockで活躍中の一部の音楽クリエイター「Audiostock提携作曲家」の作品を同社が預かり、著作権管理団体へ届出を行うことで、作品がテレビ・ラジオ放送で利用された際に印税分配を行う。なお、同社はフィンガープリント運営会社へ楽曲を登録することにより、テレビ番組などでAudiostockの楽曲が使用された場合に自動で検知し、クリエイターに還元する仕組みを整備している。

音楽作品の権利に関するサポートを行い、クリエイターが制作活動に集中できる環境を整備

 国内のクリエイターエコノミー市場において、潜在クリエイター数は2,200万人にのぼると推計され、市場規模は2034年には10兆円超に拡大することが見込まれている(クリエイターエコノミー協会2022年実施調査より)。

 市場規模が拡大するなか、個人や小規模のグループで活動することが多いクリエイターは、トラブルの対処や企業との契約、著作権、税務などに関する知識が十分ではなく、それらが活動の妨げとなる懸念も挙げられている。

 同社は適切な収益を得られる環境の構築を目指しており、今回の音楽出版管理制度を通して著作権管理に関するサポートを行うことで、個人の音楽クリエイターが制作活動に集中できる環境づくりを支援していく。

 また、同社は音楽出版社として、音楽作品の出版管理だけでなく、レコーディングなどの実施により原盤制作を行い、音楽作品の利用促進のために積極的にプロモーション業務を行っていく。音楽作品の制作、販売、権利に関する取り組みの幅をさらに広げることで、クリエイターエコノミー市場を活性化させ、多くの音楽クリエイターが活躍できるよう支援していく考え。