フェンリルは、柔軟なデザインと快適な書き心地を両立するフレキシブルテキストを搭載したヘッドレスCMS「NILTO(ニルト)」ベータ版の無償提供を開始。
柔軟なデザインと快適な書き心地のフレキシブルテキスト
NILTOのフレキシブルテキストは、多くのCMSに搭載されているリッチテキストに代わる選択肢。これらは、見出しや装飾、リンクなどを含むテキストを編集するために使用される。
リッチテキストにはふたつの問題があり、ひとつは、ウェブページのデザインを制約していること。リッチテキストでは書式要素がシステムで固定化されている。たとえば、引用ブロックで2種類のデザインを使い分けたり、独自のスタイルを適用したりすることはできない。意図したデザインやスタイルを強引に実現しようとする場合、直接HTMLを記述する運用方法を課すなど、編集者に負担を強いているケースもある。
ふたつめの問題は、デザインをしない編集者にUIが最適化されていないこと。たとえばテキストを強調するケースを考えたとき、リッチテキストでは太字や下線、文字色などさまざまな手段が用意されている。どのように強調するかはデザイナーの指示に従う必要がありますが、UIからは判断できないため、編集者は別途用意された資料などを参照する必要がある。ここでもしデザイナーの指示どおりにスタイリングできる「強調」というボタンだけがあれば迷わずに済む。デザイナーではない編集者にとって本当に必要なのは、ワンボタンでデザイナーの意図どおりにスタイリングできるUIと同社は考えた。
これらの課題を解決するため、書式要素を柔軟に設定して編集UIに反映できるフレキシブルテキストを新たに開発。
引用ブロックの見せかたを数種類使い分けたり独自のスタイルを適用することなどが可能。さらに別のコンテンツや事前に定義したHTMLコードを選択して任意の場所に埋め込むことでより複雑なレイアウトに対応できる。
フレキシブルテキストの編集UIでは、事前の設定により必要な要素だけをそれぞれ最適な位置に配置できる。編集者はUIを見るだけでやるべきことが理解でき、迷うことなくデザイナーの意図に沿ったコンテンツを作成できる。
複雑なコンテンツ設計を効率化するブロック
NILTOのブロックとは、テキストや画像、日時、フレキシブルテキストなどの入力フィールドを組み合わせた再利用可能なコンポーネント。そのブロックを、コンテンツのひな形である「モデル」に組み込むことで、モデルに複数出現するパターンを共通化できる。
さらに、ブロックを「組み合わせフィールド」と合わせて使えば、編集者やマーケターが編集画面でコンテンツを柔軟に組み立てられるようになる。組み合わせフィールドでは、あらかじめ指定したブロックの中から必要なものを選択し組み合わせることができる。これによりウェブページのセクション構成の組み替えや、さまざまなバリエーションのランディングページを量産することが、UI上で可能になる。
ヘッドレスCMS
ヘッドレスCMSは、コンテンツの作成・管理に特化したシステム。ウェブページを生成する機能を持たない点が従来のCMSと異なる。その代わりにAPIを通じてヘッドレスCMS上で作成したコンテンツデータにアクセスでき、外部のウェブサイトなどと組み合わせることでコンテンツを広く発信できるようになる。
ヘッドレスCMSの強みは、API連携を前提とした使い勝手や汎用性。CMSの仕様に縛られることなくウェブサイトを自由に設計・開発できる。さらに、コンテンツをひとつのヘッドレスCMSで管理しながら、ウェブサイトに限らずアプリやデジタルサイネージなどさまざまなチャネルへ配信することが可能。