2024年度グッドデザイン大賞を発表 遊具研究プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」に決定

  • X
  • Facebook
  • note
  • hatena
  • Pocket
2024/11/06 09:00

 日本デザイン振興会は、2024年度グッドデザイン賞の最高賞である「グッドデザイン大賞」を本日発表した。

 障害の有無にかかわらず誰もが遊びを楽しめる遊具づくりを実現したプロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」 に決定した。本年度は「勇気と有機のあるデザイン」をテーマに掲げ、グッドデザイン賞受賞作1,579件の中から、今の社会におけるデザインを象徴するとともに、これからの社会にデザインができることを示すシンボルとして選出した。

 また、本年度新設の一般投票によるイベント「みんなの選んだグッドデザイン」は、多世代共生の複合型福祉施設「深川えんみち」に決定した。

2024年度グッドデザイン⼤賞(内閣総理大臣賞)遊具研究プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト」/受賞者:株式会社ジャクエツ

デザインの概要

「障害の有無に関わらず誰もが遊ぶことができる遊具」の開発を医療と遊具の分野を越えて実現したプロジェクト。医療的ケア児の「遊びたくても遊べない」という課題に注目し、様々な個性をもつ子どもたち、医師、ケアスタッフ、遊具デザイナー、地域住民が携わり3つの遊具を開発。遊ぶきっかけが地域に増え幸せが広がる未来を描いている。

デザインの評価ポイント

「遊び」は人間の根源的な欲望であり、創造力の源となる活動である。そんな遊びから最も遠くに置かれた重度心身障害児や医療的ケア児に向けたアプローチは海外を中心に広まりつつあるが、遊びを引き出すような工夫や事例はまだまだ少ない。このプロジェクトは、さまざまな特性を持つ子どもたちと医療・ケア・地域という分野を超えた協働によって具現化された、貴重な事例であると言える。遊具があるということは、家族が共にいられる居場所があるということでもある。今後も多様な家族がいる風景を日本に広げていくことを期待したい。

グッドデザイン大賞受賞者のコメント/株式会社ジャクエツスペースデザイン開発課 主任 田嶋宏行氏

遊びと医療の間にある「遊べない」という状況、問いに対して向き合い、最初はちっちゃく始まったプロジェクトです。オレンジキッズケアラボの紅谷先生をはじめ、ケアラボの子どもたちやケアスタッフの皆さん、福井県のチームの皆さん、さまざまな方たちに助けていただきました。コロナ禍という難しい時代に始まったプロジェクトでしたが、皆さんが積極的に受け入れてくれて、常に医療的ケア児たちと一緒に遊びながら突き詰めていきました。こんなに大きな賞に選ばれるとは思わず、本当に驚いております。この度は、このような栄えある賞をいただき、誠にありがとうございます。

上位の獲得数/有効得票数:2,363 票

  • 大賞:遊具研究プロジェクトRESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト(受賞者:株式会社ジャクエツ):349票
  • 次点:介護用洗身用具スイトルボディSWB-1000JP(受賞者:株式会社シリウス):261票

みんなの選んだグッドデザイン

多世代共生の複合型福祉施設深川えんみち:569票(受賞者:社会福祉法人聖救主福祉会/NPO法人地域で育つ元気な子/JAMZA )

高齢者デイサービス・学童保育クラブ・子育てひろばの3つの事業からなる、旧斎場を改修した複合型福祉施設。