都度作成で複製の懸念がない電子印鑑「QR角印」 鉄飛テクノロジーが考案、オープンソースで公開へ

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2020/04/30 06:00

 ファイルサーバー活用に特化したソフトウェア開発・販売を行う鉄飛テクノロジーは、日本の企業間取引の認印として広く使われている角印の代替となる新しい電子印鑑「QR角印」を考案した。QR角印は、押印日時や押印者などの情報が埋め込まれたQRコードを印影の中心に配置して社名などの文字で囲った、角印と同じサイズの電子印鑑。QR角印の基本技術は、オープンソースソフトウェアとして公開する。

 QR角印は、画像ファイルとして印影を生成して文書作成ソフトやPDFファイルに貼り込んで使用し、帳票類を電子文書としてやり取りすることも、紙に印刷して郵送やFAX送付することも可能。埋め込まれるQRコードはその都度生成されるので、単に角印をデジタル化した電子印鑑のように複製される懸念がないとのこと。請求書や見積書などの帳票作成システムからQR角印生成システムを呼び出して、生成されたQR角印の印影を含む帳票PDFファイルを出力することを想定している。生成したQR角印をMicrosoft Office(ExcelやWordなど)で作成した帳票に貼り付けて、そこから印刷あるいはPDF出力して運用することもできる。

 同ソリューションの特徴は次のとおり。

  • 従来の角印と同じサイズで印刷が可能。従来の帳票(請求書・見積書など)のレイアウトを変える必要はない。
  • 生成する都度、日付時刻や乱数をもとにユニークなURLが生成され、QRコードとして印影の中心部に埋め込まれる。
  • 押印権限を限定した運用が可能。QR角印生成システムへのアクセスは、限られた部署・職階のユーザーに限定される。
  • 印影の監査が可能。QRコードをスマートフォンのカメラで読み取れば、QR角印の押印者が運営する押印情報ウェブページにアクセスでき、押印日時や注文番号・見積番号などの情報を参照できる。(参照情報に矛盾や不一致がある場合には、不正な印影画像が疑われる。)

 なお、QR角印生成システムのソースコード、作成サンプルや運用シナリオなどのガイドライン、インストール・設定手順などの情報は、MITライセンスで公開する。