いままでと異なる領域に飛び込んだワケ
――まずは、遠藤さんのご経歴から教えていただけますか?
高校卒業後、美術系の専門学校に入学しました。当時はあまりウェブデザインというものが広まっておらず、デッサンや粘土で人形を作るといった授業が多かったですね。卒業後に入社したのは紙媒体の広告制作をメインに行っている会社で、グラフィックデザイナーとして働いていました。その後、転職をしてコンシューマーゲームなどを扱うITベンチャー企業に。ウェブやスマホアプリのUIデザインに携わりました。いまはピーシーフェーズのshouin事業本部で、動画教育&人材育成サービス「shouin」のプロダクト本体のUIデザインや公式サイトの制作、営業で使うチラシ、展示会で使うチームTシャツ、バーチャル背景など、デザインと名のつくものは幅広く担当しています。
――紙をメインに扱うデザインからウェブへ領域を移そうと思ったのはなぜですか?
ベンチャー企業というものをその当時ほとんど知らなかったのですが、家の近くにゲームが作れる会社があると知り、単純な興味だけで入社しました。私自身ゲームはそこまでしないのですが、弟のゲームを見る機会が多かったこともあり、ゲームそのものにも興味はありました。
ですがウェブの基礎知識がまったくなかったので、あのときは毎日本当に必死でした。わからないことだらけだったので、デザイナーだけでなくエンジニアやディレクターなど、職種関係なくとにかく質問をして、このデザインどう思いますか?改善するところないですか?と聞いて回っていましたね。その会社でゲームのUIに8年ほど携わりました。
1社目はアミューズメント系の広告制作、2社目もゲームと、約10年エンタメの表現が多かったので、企業に向けたデザインや事業のブランディングなどのスキルも高めたいと思い、ピーシーフェーズへの入社を決めました。shouinのプロダクトマネージャーをつとめる鈴木が面接で対応してくれたのですが、私にとってはとても自分の話を聞いてくれるなと感じたんです。その姿勢から、やりたいデザインや意向を伝えやすい環境なのではないかと思い、入社を決めました。
いままでと違う領域へ飛び込んでいくことに対して不安がなかったわけではないのですが、過去の転職もすべて新しいものに挑戦しようという思いでいたので、それほど大きな心配はなかったですね。
――現在担当なさっている動画教育&人材育成サービス「shouin」には、どんな特徴があるんでしょうか。
shouinは、企業の教育担当者と従業員に向けたクラウド型の人材育成サービスです。オンラインの日報や動画を用いたレビュー機能によって、現場で働く従業員と本社の教育担当者がコミュニケーションを取りやすくする仕組みを提供していることも特徴のひとつです。従業員はスマホひとつで動画を軸に自己学習できるので現場の教育負担を軽減できますし、企業側は提供した学習コンテンツの活用状況をみて、従業員の1人ひとりのスキルを把握できるというメリットもあります。
そんなshouinですが、常時携わっているメンバーは10名くらい。営業、機能開発、サービスのリリースまで携わる人数でいえば、15人から20人ほどでしょうか。販促ツールなどは外部にお願いすることもありますが、デザインは私ひとりで担当しています。
なかでも私が主に関わるのは、プロダクトマネージャーとディレクターふたりです。shouinにおけるプロダクトマネ―ジャーの役割はサービス全体の進捗や機能リリースのタイミング、全体のスケジュールを管理すること。またディレクターは、サービスで改善すべき点をピックアップし、それをデザイナーやエンジニアに落とし込んでいったり、ユーザー企業から機能カスタマイズの要望をもらったときに指揮をとる役割です。エンジニアにはプロトタイプを作ってレビューをもらいたいときなどに、直接相談をしています。