新製品のPhotoshop Cameraも 6月のAdobe Creative Cloudアップデートのポイント

新製品のPhotoshop Cameraも 6月のAdobe Creative Cloudアップデートのポイント
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2020/07/07 08:00

 アドビでは6月に行われるAdobe Creative Cloud(以下、CC)の最新アップデートの内容について、ライブストリーミングによるオンライン記者説明会を開催。今回の説明会では、フォト新製品「Photoshop Camera」の紹介をはじめ、CCのアップデートが発表された。本記事では、その概要についてお伝えする。

XDのコラボレーション機能は全プラン利用可能に IllustratorやFrescoもアップデート

 最初に登場したAdobe Creative Cloudエバンジェリストの仲尾毅氏は、今回のアップデートの概要として、「ラーニングとインスピレーション」、「コラボレーション」、「イノベーションを通じた機能強化」の3点を提示。ひとつずつ解説を行った。

1)ラーニングとインスピレーション

Behance

アドビが提供するクリエイターのSNS「Behance」には、世界中の2,100万を超えるクリエイターの作品が公開されており、コミュニティは「これまでにない盛り上がりを見せている」と仲尾氏。今回のアップデートにより、Behanceに画像検索機能が追加される。

Adobe Fresco

Adobe Frescoでは、アプリ上からライブストリーミング配信が可能となる機能が、有料プランの全ユーザーに提供される。この機能を利用することで、ほかのアーティストの制作方法を学んだり、互いにインスピレーションを与えあうことが可能に。またAdobe Frescoのライブストリーミング配信サポートは、2020年の後半にむけ無料プランのユーザーにも提供を拡大し、Creative Cloudアプリにもこの機能が追加される予定となっている。

Creative Cloudデスクトップ

昨年刷新されたCreative Cloudデスクトップだが、発見と学びを提供し、ドキュメントの管理を支援するハブとしての機能を一層強化していく予定。

遠隔学習

仲尾氏は、「教育現場でもクリエイティビティが非常に重要」との見解を示したあと、学生のみならず、教育現場の関係者にとって不可欠なツールへのアクセスとリソースの提供による遠隔学習の強化に注力していく方針を明らかにした。

Adobe XD検定

今年5月に開始されたのが、日本独自の取り組みとなるAdobe XD検定。UIデザイン、プロトタイピング、共有、デザインシステム、機能拡張とツール連携というXDがカバーする5つのカテゴリーごとにブラウザベースの設問に回答することで、自分自身の製品スキルを測定し、把握することができる。

2)コラボレーション

 仲尾氏は「Creative Cloudでは、コラボレーションやレビュー、共有といった分野に注力してきたが、リモートワークの急速な普及によりさらに欠かせないものになりつつある」と前置きしたうえで、コラボレーションの観点からみた製品のおもなアップデートを紹介した。

Adobe XD

2020年4月に、XDの共有およびコラボレーション機能の利用を、XDスタータープランふくむ全プランに拡張。これにより、だれもが無制限でコラボレーションすることが可能となったほか、Microsoft TeamsやSlackといったツールとの大幅な連携強化も実施していく。対象は、Adobe XD、Photoshop、Illustrator、InDesign、AcrobatをはじめとするCreative Cloudアプリ。TeamsやSlackのユーザーは、Creative Cloudのアセットを素早く共有したり、デザインへのプレビューリンクを送ったり、コラボレーションの参加者を簡単に追加することができるようになる。

InDesign

新たに追加される「レビュー用に共有」という機能により、いっそう効率的な制作物のレビュープロセスが実現可能に。デザイナーは、ウェブ上におけるデザインの共有、フィードバックの収集、フィードバックの解決という一連の流れすべてを、InDesignを離れることなく行うことができるようになる。その際、レビューの参加者には、収集されたすべてのコメントがリアルタイムで反映される、オンラインレビュー用の画面が表示される。

Illustrator

Fresco、Photoshop、XDなど、一部のCreative Cloudアプリで提供しているクラウドドキュメント機能が、Illustratorでも利用可能となった。これは2020年後半に発売が予定されているIllustratorのiPad版で、デスクトップ版とのシームレスなワークフローを実現するための第一歩となる。

Adobe Spark

オンラインとモバイルの両方で利用できるデザインアプリ「Adobe Spark」では、今回のアップデートにより、Creative Cloudライブラリへのアクセスが可能になる。さらにフォント管理もふくめ、Creative Cloudの管理全般でコラボレーション機能と生産性の強化を行っている。

 また、シームレスにリモートワークができるよう、Creative Cloudのグループ版ならびにエンタープライズ版のユーザーに向け、ストレージが1テラバイトに拡張されることにも触れた仲尾氏。「ここで紹介したコラボレーション機能は、皆さまのニーズにお応えするものだと考えています」と強調した。

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