CreatorZineをご覧になっているみなさん、こんにちは!
渋谷道玄坂上にオフィスをかまえるロフトワークという会社に勤めています、プロジェクトディレクターの松本亮平です。
この連載も Vol.3 を迎えました。初回ではクリエイターにいま必要な3つの脳について、vol.2では、私がロフトワークで所属している空間プロデュースチーム「Layout Unit」で実践しているプロジェクトデザインのフレームワークをもとにしながら、これからを生き抜く自分らしい働きかたを見つけるための問いをご紹介しました。
最終回となるvol.3 では、クリエイターが今後どんな場を大切に過ごすべきか、そして場を提供する側である企業や組織は、どのようなアプローチで場を構築すれば良いのかに焦点をあて、ロフトワークのディレクターという視点から解説していきたいと思います。
COVID-19の影響によるリモートワーク導入や、働きかたの見直しが求められるなか、どのような働きかたをしていくべきか、そしてしていきたいかをより問われる時代になってきたように思います。働く個人にとっても、場を提供する側の企業や組織にとっても新しいワークスタイルを模索し、実現するためのヒントになれば幸いです。
COVID-19 によって揺さぶられた僕らの価値観
COVID-19感染拡大で生活スタイルが大きく変化するなかで「COVID-19の前後で人の価値観がどう変わるのか?」という問いは世の中の大きな関心ごとになりました。
さまざまな仮説や予測が生まれていますが、僕が所属しているチーム ・Layout Unit でも、ウェブ上に投稿されている記事、有識者の見解、未来予測をしている各種メディアなど包括的にリサーチを実施。都市圏でのライフスタイルにおいてという前提のうえで、項目ごとにどのような変化が起こり得るか、見解をまとめました。
1)働く場の変化
企業の立地が多様になり、立地がアイデンティティにもなり得る。ひとつのオフィスに集まって仕事をするのではなく、組織としてのありかたや個人の働きかたに合わせて、自宅勤務も含めた多拠点かつネットワーク型のオフィスのあるべき姿を模索する必要がある。
2)オフィスが担う役割の変化
オンラインミックスで場所にとらわれずに働けるwithコロナ時代において、オフィスはアイディア発散や社員の帰属意識向上の役割を担う。またオフィスが企業ブランドを浸透させるためのランドマーク的機能、ショーケーシング的機能を果たすなどの変化が生じる。
3)組織のデザイン
これからは、ハードとしてのオフィスやそこに実装したいファニチャーやファシリティを考える前に、時代に即した “その企業らしい働きかたや活動”のビジョンやコンセプト、またそこに紐づく評価制度など、組織変革に関わる仕組みを定義し、構築することが求められる。
4)1人ひとりの働きかたのデザイン
それぞれが時間や場所にとらわれず、複数の収入源を持ちながら仕事をするようになる。好きなこと、得意なこと、お金を稼げることなどを組み合わせてポートフォリオ化していき、安定した収入を得ながら、仕事が舞いこむネットワークを広げるための関係人口を増やすことも重要になる。