[初心者向け]ことばから考えるUIデザインの基本~インターフェイスとデザイン編~

 UIを作ったことがないひと、初めて作るひと、制作をお願いするひとなど、初心者の方に向けて書きました。「UIデザインってなんだろな」「つくるってどうするのかな」ということをゆるっと理解してもらえたら嬉しいです。初回のテーマは「インターフェイスとデザイン」です。(本連載は、フェンリルの新卒社員に向けて作った資料の改修版をもとにしています)

デザインとは「構成するすべての要素を検討すること」

 UIデザインという言葉について定義するにあたり、ひとまずUIとデザインにわけて考えましょう。UIについては後述するとして、まず「デザインする」とはそもそもどういうことなのでしょうか?

 「もともとセンスがあるひとがやっていたり、絵を上手に描いているようなイメージがあるなあ」という人もいると思います。

 実際、デザイナーには絵を描ける人もいますしね。しかし絵を描くことはデザインに必要だからしていることで、絵を描くこと自体は目的ではありません。

 じゃあデザイナーがしている“デザイン”ってなんでしょう?デザインを生業にしていないひとには、どんなことをするか、いまいちピンと来ないという方もいるかもしれません。

 ためしに、デザインという言葉を翻訳にかけたり、辞書で引いてみると「設計」と書かれています。

 では「設計」についても調べてみましょう。

対象物の要求される性能、機能などに基づいて機構や構造を定め、これに要する各部の材料、形状、寸法、加工方法、工程などの計画を立てること(出典:小学館デジタル大辞泉)

 デザイン=設計ということで考えると、「構成するすべての要素を検討すること」がデザインという言葉に近いでしょうか。

 さまざまなものはデザインされています。そのためデザインという言葉はたくさんの解釈があり、それぞれのデザイナーにとっての思想であることも多いため、まったく同じ意味で使われていることは少ないです。

 しかしほとんどの場合「“目的"を達成するために何かを考え、生み出すこと」というニュアンスを含んでいます。なにかをつくるときの多くは目的があってはじまるからです。

 私はとくにスティーブ・ジョブズのこの言葉がわかりやすく、しっくりくるのではないかなと思っています。

デザインはどう見えるかを意味すると考える人がいる。しかし、掘り下げればどう機能するかということなのだ

 たとえば、川があって向こう岸に渡りたいとき、渡る方法はたくさんあります。船でわたる。橋をかける。長靴でそのまま、など。

 どの方法でわたるかは「目的」によって決まります。今後わたることがあるのか、今の一瞬だけでいいのか。それとも大きな荷物を運ぶのか、身軽な状態のひとりだけが移動するのか……。

 これからも必要なのであれば橋を架けることを検討するし、ひとりかつ今回だけなら多少の無理をしても、長靴でそのままわたるという方法を選ぶかもしれません。

 この例で言うと、「向こう岸に渡る」という目的のために必要な道具に細かな装飾をしたり、かっこいい見た目にすることだけがデザインではありません。「目的」のためにどのようなアプローチがあるかを考え、設計することがデザインです。

 さらに目的を分解して、「誰に」「何を」「なぜ」という部分を明確にすることでより良いものづくりができます。

 多くの場合、ひとりでものづくりはできません。

 複数の人と協力してものづくりをする場合、目的をメンバーに共有し、その目的に向けてそれぞれの知識を集めることで、最善のものを検討することができるのです。

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